【安田記念】マイル王モーリスとダブる爆昇馬ヒーズインラブの軌跡

2018年05月29日 21時30分

一気に頂点を狙うヒーズインラブ

【安田記念(日曜=6月3日、東京芝1600メートル)dodo馬券】東京競馬場での5週連続GIもいよいよ最終戦。日曜はマイル王を決める第68回安田記念が行われる。昨秋のマイルCSを制したペルシアンナイトに昨年の最優秀短距離馬レッドファルクス、さらに大阪杯の覇者スワーヴリチャードなど、様々な距離の王者が集結する豪華な顔触れとなったが、当欄は◎ヒーズインラブで勝負。GIIIを勝ったばかりの格下だが、同馬の軌跡を探ると大きな可能性にあふれている。

 ヒーズインラブが5歳にして初めて重賞出走&制覇した前走のダービー卿CTはGIIIのハンデ戦。1分32秒2の勝ち時計は優秀な部類に入るが、55キロと比較的恵まれた斤量、接戦の上での勝利を思えば、GIで即通用の評価は難しい。

 しかし、レース映像を見直すと、字面でのイメージ以上に同馬が苦しい競馬を強いられたことが分かる。以前は課題だったスタートを難なく決めて、中団のインという絶好のポジション。だが、勝負どころの3コーナー過ぎにペースが緩んだことで一気に馬群が凝縮。位置を下げざるを得ず、4コーナーでは四方をふさがれて万事休すの格好。ようやく進路が開けたのはラスト1ハロン標あたり。そこから瞬時に反応して、押し切りを図るキャンベルジュニアを捕らえての勝利だった。上がりは出走馬最速(34秒1)だから決め手も秀逸だ。

 藤岡調教師は「以前はスクみやすい馬だったけど、今は硬さもなく順調に調整できている。体調が安定してきたことで重賞を勝つことができたし、最近のレース内容にもそれが表れているんだろう」とここにきての成長に手応えを感じている。

 過去6勝のうち、3勝が中山コース。東京コースでは3走前に準オープン2着の実績があるが、これまで左回りは〈0・1・0・2〉。コース替わりはどうなのか?

「確かに実績のある中山のマイルがベストだろうけど、そこを狙って使ってきたこともある。初めて東京を使って10着(1000万下の六社特別)に負けた時は馬も若かったし、今と違って前で競馬をしていたからね。昨年の新潟の谷川岳Sで7着に負けた時は流れに乗れなかっただけ。それでも上がりは最速だった。新馬勝ちの時から乗っている(藤岡)康太は『力をつけた今なら左回りのほうがいいかも』と話している」と影山助手。左回り、広いコースでのさらなる前進を期待する。

 状態面も問題はない。「前走後にじっくりと時間をかけて調整したことで歩様はいい感じ。ジョッキーが乗った1週前追い切りではしっかりと動けていたし、いい状態でGIへ臨めそう」

「遅咲き」「中山巧者」という地味なレッテルも、その上昇度を加味すれば、大きな壁を突き破るかもしれない。マイル王モーリスがダービー卿CTを1分32秒2で重賞初勝利を決め、続く安田記念を勝ったのは3年前。くしくも同様の道程を歩みつつある馬がいる。成長株ヒーズインラブが、初めてのGI舞台で大仕事を成し遂げても不思議はない。