【大阪杯・後記】ミルコの神業騎乗で悲願のGI制覇 スワーヴリチャードが歩む絶対王者への道

2018年04月02日 21時31分

スワーヴリチャード(左)は悠々とVゴール

 1日に阪神競馬場で行われたGI「大阪杯」(芝内2000メートル)は、1番人気に推されたスワーヴリチャード(牡4・庄野)が向正面からのまくりを決めて初戴冠。オーナー(NICKS)、庄野靖志調教師にとってうれしいJRA・GI初制覇となった。勝利のポイントを検証しつつ、勝ち馬が今後の古馬中距離路線をけん引する絶対王者に君臨できるかどうかを占ってみたい。

 今から約1年6か月前、大阪杯と同じ舞台でスワーヴリチャードの競走生活は涙とともに幕を開けた。「自分も勝つと思っていたけど、ああいう結果(新馬戦ハナ差2着)になって。自分にもおごりがあったのかと。馬に申し訳ないと思って涙が出た」と庄野調教師。

 その後はダービー(2着)でも、有馬記念(4着)でも悔し涙を拭ってきた。その有馬記念では直線で内に斜行して、馬をコントロールできなかったミルコ・デムーロにも批判が集まった。

「ミルコと何度も話し合ってきた」と同師。悔しい思いをしてきた2人の男が、スワーヴの未来のために意見をぶつけ合った。その結果が今回の勝利へ。あまたの敗戦が糧となり、この日の歓喜の涙に変わったのだ。

 鞍上が戦前に考えていたこと。それは「有馬記念はペースが遅くて、外枠(14番)で外を上がっていく競馬になってしまった。(今回も)そうなることがイヤだった」。
 不運にもまたしても外枠=15番枠を引いたわけだが、それがかえって決意を強いものにした。ゲートはいつものように悪く、後方2番手からのスタート。ヤマカツライデンは1000メートル通過61秒1というスローの逃げに出る。その流れを察知した鞍上は有馬の悪夢を振り切るように向正面で合図を送り、3コーナー手前で一気に先頭へ並びかけた。勝負の分かれ目は間違いなくここだった。

 勢いに乗って直線へと向くと、あとは無人のターフをただ進むだけ。シ烈な2着争いを尻目に、悠々と初タイトルのゴールを駆け抜けた。

「直線に向いて手応えが良かったし、これで勝てると思った」とM・デムーロ。庄野調教師は「ミルコが『それしか選択肢がない』と言っていたし、心強かった。直線もラチ沿いで左手前に替えてから抜けてきてくれた。素晴らしいレースだった」と鞍上の神業をただ褒めちぎった。

 ただ、浮かれてばかりもいられない。「まだ課題はあるし、今後はそれを修正しながらやっていく」と同師。課題だった右回りでの手前のチェンジは今回こそスムーズだったものの、モタれる面が完全に解消されたわけではない。ゲートの出は相変わらず悪かった。
「もうひとつGIを勝ちたい。秋は東京のGIが続きますし、今年を飛躍の年にしたい」と宣言したトレーナー。

 すべての課題を乗り越えた時…真のチャンピオンの称号が与えられることになる。