【フィリーズR・後記】波乱Vリバティハイツ ラッキーライラック1強ムードの桜で通用するか

2018年03月12日 21時33分

フィリーズRを制した北村友~リバティハイツ

 11日に阪神競馬場で行われた桜花賞トライアルのGIIフィリーズレビュー(芝内1400メートル、3着までに優先出走権)は、8番人気のリバティハイツ(高野厩舎)が優勝。2着アンコールプリュ、3着デルニエオールにも優先出走権が与えられた。本番の桜花賞でも注目すべき馬かどうかを改めて検証する。

 好スタートを決めると、鞍上の北村友はリバティハイツと呼吸を合わせて走りのリズムを整える。他馬がポジションを取りに動くが、それに対してムキになるところはない。道中は大きなアクションを起こすことなく直線へ向いた。

 外に進路を取るとピンク帽の2頭が前をふさぐように立ちはだかる。北村友は気持ちを切らさないようにパートナーを鼓舞しつつも、強引に割って入ることなく進路が開く瞬間を待った。坂の途中で外にいたアリアが下がったことで視界が開けると、そのタイミングでラストスパート。力強く馬群の外を伸び、馬場の内側の激闘をねじ伏せるように突き抜け、先頭でゴールを駆け抜けた。

 1勝馬の身で抽選をくぐり抜けての出走となったが、局面ごとの北村友の判断を見ても、そのレース運びは終始余裕を感じるもの。結果論かもしれないが、一頭だけ7ハロンのレースではなく、本番のマイル戦を想定したかのようなレースぶりだった。

 中山競馬場でレースを見守った高野調教師は東日本大震災で被災した福島県の出身。「(3・11について)何も思わないということはありません。ニュースでもやっていたし、うまく言葉で表現はできませんが、感じるものはあります」と万感の思いを口にした。

 しかし、話が愛馬に移ると「どっしりとしているのがいいところ。冷静なので道中でムダな力を使わないし、最後に力を集約できる。まだ冬毛もすごいし、これから良くなる余地もあると思います」と本番の桜花賞への意気込みを語った。

 リバティハイツとのコンビで2戦2勝の北村友は「未勝利戦の時は乗りやすい馬だな、という感じ。今回はいい意味で前進気勢が出ていた。距離が延びるのはマイナスではないし、今は力をつけているところ。だんだんと良くなっているし、本番が楽しみ」とさらなる良化の手応えを感じている。

 メンバーのレベルから見てもチューリップ賞に対して“格下感”は否めない。しかし、時計は近10年で2番目に速い上、母ドバウィハイツは米の芝GIを2勝し、近親も仏GIを勝つなど、血統背景は2歳女王以上のものがある。トレーナーとジョッキーが口にする“伸びシロ”と世界的な血統がハーモニーを奏でた時、奇跡の光がリバティハイツを照らすかもしれない。