【チャンピオンズC】中央ダートGI連勝ゴールドドリーム 輝きを取り戻した緊縛トレ

2017年12月04日 21時33分

外から一気に差し切ったゴールドドリーム(ゼッケン9)。さすが世界の名手ムーアだ

 3日、中京競馬場で行われたダート王を決めるGI第18回チャンピオンズカップ(1800メートル)は、名手ムーア騎乗のゴールドドリーム(牡4・平田)が外から豪快に差し切って2月のフェブラリーSに続く中央ダートGIを連勝。17年のJRA最優秀ダートホースの座を確定的なものとした。3月のドバイWC以降は精彩を欠いていた同馬はどのようにして復活したのか。レースを振り返りつつその要因を探った。

 コパノリッキーが内から先手を取り、5ハロン通過は61秒6と遅い流れ。ゴールドドリームはソロッとした発馬だったが、この馬としては上々のスタート。その後は折り合いもついて後方集団からスムーズに追走する。直線で外に持ち出し、鞍上のムーアが仕掛けると一気に加速。粘り込みを図るコパノリッキー、テイエムジンソクをゴール直前でまとめて差し切った。前で競馬を運んだ馬が上位を占めた中、後方から直線一気を決めたゴールドドリームの強さだけが際立った一戦だった。

「新馬、500万下と1800メートルで連勝したけど、ドバイWC(14着)ではいいところがなかったし、帝王賞(7着)でも最後に止まったりで距離の壁があるのかと思っていた。前走の南部杯(5着)ではスタートでの出遅れもあったし…。このところかみ合わず結果を出せなかったので正直ホッとしている」

 平田調教師は厩舎のエースがようやく復活したことで安堵の表情を見せた。対してムーアは「最後はいい脚で伸びてくれた。すごく状態がいいと聞いていたし、素質もある馬。うまく運べれば勝てると思っていた」と何事もなかったように振り返った。

 上半期のダート王の復活劇の陰には、クールなムーアの表情とは対照的な“執念”もあった。平田調教師は「GIを取っている馬だけにゲートに縛りつけたりするのはどうかとも思ったけど…。前回乗った川田からの進言もあったからね」。

 プライドの高いGI馬をゲートにくくりつけるというのは我々が想像する以上に難しい仕事。下手をすると馬がパニックを起こしたり、逆効果となることも多々ある。それでもこの馬にもう一度GIタイトルを――陣営は英断を下し、リスクを承知でゲート練習に取り組んだ。そして、ゴールドドリーム自身もそれに耐え、応えてみせた。

「まだ4歳で若いし、これからもっと活躍できる馬」とムーアはパートナーのさらなる活躍に太鼓判を押す。気になる今後は「昨年と同じくフェブラリーS(2018年2月18日=東京ダート1600メートル)へ向かうことになると思う」と、まずはフェブラリーS連覇を当面の目標に設定。惨敗したドバイ遠征についても「今年は20年ぶりの大雨の中での競馬だったし、もう一度チャレンジしたい気持ちもある」とトレーナーは前向きだ。

 過去に2頭(00年ウイングアロー、11年トランセンド)しか達成していない同一年のフェブラリーSとチャンピオンズC制覇。歴史的な偉業と本年の最優秀ダートホースの座を手土産に、来年は世界へ大きく羽ばたくことだろう。