【ローズS】伏兵Vラビットラン 「秋華賞の主役」と言い切れない機動力の壁

2017年09月18日 20時31分

ローズS1着のラビットラン

 日曜(17日)阪神競馬場で行われた秋華賞へのトライアルレース・GII第35回ローズS(芝外1800メートル)はラビットラン(角居)が制覇して、2着カワキタエンカ&3着リスグラシューとともに秋華賞の優先出走権を獲得した。前走で500万下を勝ったばかりの条件馬が、並み居る実績馬を押しのけての重賞初制覇。その強さは本物なのか? そして、本番の秋華賞も主役を張れる馬なのか? 今回のレースの本質に迫る。

 阪神外回りの長い直線をフルに生かした豪快な差し切り勝ち。8番人気の伏兵ラビットランの勝利をフロック視することはできない。手綱を取った和田は言う。「前走で能力が高いのは分かっていたし、乗り味では世代屈指だと思っている。距離がどうかと思っていたけど、上手に走ってくれた。直線も止まる気配がなかった」

 父タピットという血統背景からデビューはダート。だが、跳びが大きく、軽い走りは芝馬のそれと当時から言われていた。中京で500万下を勝ち、小倉開催を見送ってのローズS参戦で結果を出した管理馬に「直線で見せた脚は自分が想像していた以上」と角居調教師。しかし、この馬の可能性を信じていなければ、賞金不足で出走できない危険(実際に2勝馬は抽選対象になった)のある直行は選択しなかっただろう。今回の勝利の呼び水になったのは、初芝であっさりと結果を出した前走。そこで得た手応えが想像以上だったことにほかならない。

 今回のVで芝では2戦2勝。まるで底を見せないまま重賞のタイトルを獲得し、GⅠの舞台に立つラビットランへの期待値はこれで大きく膨れ上がった。だが、今回の勝利で次走のGI秋華賞(10月15日=京都芝内2000メートル)でも主役を演じられるかとなると、それはまた別の話だ。能力は足りており、勢いも十分にある。なのに、なぜ?

 和田のコメントにある「距離」という言葉。これがポイント。「調教でも頭を上げてしまうようなところがある。自分のリズムで走れるかどうかがポイントになる馬だと思いますが、今度はコーナーが4つで直線も短い。条件的には少し難しくなるのかも」と角居調教師もうなずく。なぜ、後ろからの競馬をしなければならないのか? それはラビットランの性質による面が大きく、折り合い重視の競馬を貫くには京都内回りの2000メートルは条件が悪い。この部分さえクリアできれば、3連勝でのGI制覇も夢ではないが、秋華賞が自分から動いていく機動性を必要とするレースであることを考えると、そこまで楽観的な見方はできないのだ。