武豊「世間とボクの限界は違う」

2013年01月14日 12時40分

 前人未到のメモリアルVだ。武豊騎手(43=栗東・フリー)が13日、京都競馬第5Rの3歳未勝利戦でカレンケカリーナ(牝・安田隆行厩舎)に騎乗し1着となり、JRA通算3500勝を達成した。自身が持つ最多勝記録を更新する大金字塔の樹立に「次は4000勝」と新たな目標を設定したユタカ。ここ数年は勝ち鞍が激減しているが、希代の天才ジョッキーの飽くなき挑戦はまだまだ続く。

「オッズを見ると僕の馬が全部人気になっていたし、早く達成しないと、いろんな方に迷惑をかけると思っていた(笑い)」 先週6日の京都10R万葉S(デスペラード騎乗)で王手をかけてから13戦目、デビュー27年目で新たな勲章を手にした武豊はジョーク交じりに記録達成の感想を話した。

 デビューした1987年に当時の新人最多勝記録となる69勝。以後、記録という記録を次々に打ち立て、GⅠ勝ちもJRA66勝、地方交流25勝、海外7勝を挙げている。2003年からは3年連続で年間200勝をマークし、海外メディアも「永遠のリーディングジョッキー」と紹介。07年には岡部幸雄の2943勝を抜き去り3000勝の大台に到達した。だが、骨折で4か月離脱した10年以降、ここ3年は年間100勝に遠く及ばない69→64→56勝。有力馬も思うように集まらない状況が続いている。

「なかなか結果を残せずに時間が過ぎていることに、誰よりも僕自身が気づいていた。ただ、これで諦めたくなかったし、ここまで頑張ってきた」と神妙な表情も見せた武豊。ウイナーズサークルには昼間の平地レースとは思えないほどの観客が集まり、過去のGⅠゴールシーンをパネルにしたファン、花束を持った女性などが押し寄せ「ユタカおめでとう」の声が飛び交った。「3500勝は通過点だと思っているし、次は4000勝を達成したい」という宣言を聞くとファンからは「オオーッ」という大歓声が上がった。

 JRA通算勝利数で武豊に次ぐのは前述の岡部幸雄元騎手の2943勝で、3位は横山典弘の2372勝、4位に蛯名正義の2115勝(13日現在)…。いかに突出している記録かを示す数字だが、海外109勝、地方171勝を加えると3780勝になる。

「世間でいう限界と僕の限界はたぶん違う。この先、どんな状況になったとしてもね。ほかの人より貪欲で、楽観的なのかもしれない」。これは全盛期、本紙に語っていた言葉。「通過点」というスタンスに偽りはない。