【関屋記念】逃走Vマルターズアポジー ベストのマイルで秋も大暴れ

2017年08月14日 21時31分

武士沢とマルターズアポジーの名コンビは絶妙なペースで逃げて押し切った

 13日、新潟競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第2戦、GIII関屋記念(芝外1600メートル)は後方待機型が不発。先手を主張したマルターズアポジー(牡5・堀井)がそのまま逃げ切って重賞3勝目を飾った。単勝オッズ20倍以下の馬が9頭を数える大混戦を制した要因とは? レースを振り返るとともに今後の同馬の可能性を探る。

「同型馬との兼ね合いがカギだったけど、うまくいきました。気性は前向きだし、せっかくの持ち味があるのだから控える必要はないかと」

 もともとが派手さとは無縁の慎み深い性格。破顔一笑とはいかなかったが、それでも至って爽やかな笑顔で受け答えをした優勝騎手の武士沢。それもそうだろう。前走の七夕賞は徹底的に競り込まれて11着に惨敗。その悔しさを次走できちんと晴らしてみせた。

 抜群のスタートダッシュに敏速な二の脚。デビューから全戦で逃げ続けてきたマルターズアポジーはあっという間にハナを奪う。勝つ気持ちがあれば、この馬と競るのは無謀というもの。大方の予想通り、ウインガニオンが2番手に控え、マイネルハニー、ダノンリバティと続いた。

 3ハロン通過35秒2というマイル重賞としては遅い流れを作った武士沢の絶妙なペース配分は光る。そして「時計は速いけど、多少緩い馬場」(ウインガニオン=津村)だったため高速上がりを使いにくい状況だったことが奏功した。直線に入っても隊列はさほど変わらず、上位人気のメートルダールやブラックムーンは見せ場すらつくれない。一方、マルターズアポジーはゴールまで終始、セーフティーリード。まさに独壇場となった。

「今まで2000メートルを主体に使ってきたけど、もともとマイルで勝ち鞍がある馬。真面目過ぎる気性だし、逆に本領発揮となりましたね。これからメンバーがもっと強くなっていくのでさらに頑張っていきたい」と武士沢が抱負を語れば、管理する堀井調教師も「他馬とはスピードが違いました。今後のことはオーナーと相談して決めますが、マイル路線に進もうと決めたからここを使ったので」。次走の明言こそ避けたものの、サマーマイルシリーズ最終戦のGIII京成杯AH(9月10日=中山芝外1600メートル)が有力だ。

 これでサマーシリーズ王手となったが、そうしたものすら小さく感じられるのがこの馬のマイラーとしての可能性。2月の小倉大賞典でのマイル通過は1分32秒9。その高い資質はかねて示していたが、このタイトル獲得で誰もが認めるところとなった。有馬記念15着、大阪杯12着と中長距離GIで苦汁をなめた経験はベストの条件でさらに生きてくるに違いない。この秋はオールドルーキーがマイル路線に新風を吹き込みそうだ。