【香港カップ】武豊エイシンヒカリ リミッター外した「世界レベルの逃げ」で連覇だ!

2016年12月06日 21時31分

昨年の香港カップを逃げ切った武豊&エイシンヒカリ(ロイター) 

【香港国際競走・香港カップ(シャティン競馬場・芝2000メートル)】週末の日曜(11日)は国内外で馬券勝負! 同日は阪神競馬場で2歳女王を決めるGI阪神JFが行われるが、より注目度が高いのは史上最多13頭の日本馬が参戦し、馬券発売もある4つの香港国際競走(すべてGI)。中でも日本馬が5頭出走の香港カップは世界レーティング上位のエイシンヒカリとモーリスが激突する。両陣営の自信度は相当で、海外を舞台にスリリングな一戦となりそうだ。

 

 今年はドバイを皮切りに香港、フランス、英国、米国と精力的に海外のレースを転戦してきた武豊。世界の競馬の最前線を肌で感じてきた名手は、日本馬の今をこう語る。

 

「世界でも十分に通用するところまでレベルは上がっている。今はどの国に行っても、日本馬というだけで強いという目で見られるんだ。そりゃあ(外国馬は)ジャパンCに行かず香港に行くよ」

 

 その強い日本馬が今回は大挙(史上最多13頭)して香港国際競走に参戦。カップ、スプリント、マイル、ヴァーズ…4レースすべての表彰台を日本馬が独占しても決して驚けない状況だ。

 

 中でも武豊騎乗のエイシンヒカリは“オールジャパン”の大将格と言える存在。昨年の香港Cで初のGI制覇を果たすと、続く仏GIイスパーン賞では10馬身差のぶっちぎりVを決め、日本馬史上2頭目となる世界ランク1位に輝いた。

 

 凱旋レースとなった天皇賞・秋は12着に敗れたが「イレ込みがすごかった。この馬は慣れないほうがいい。(置かれた環境が)よく分からなくて、気を使っているくらいのほうが力を出せる」と武豊。パドックからテンションが高く、鞍上を乗せることができたのは検量室の前。馬場入りでも気難しい面が出てレース前に消耗していた。国内では4戦連続となった東京遠征という“慣れ”が影響したようだ。

 

 だが、今回の舞台は香港。ここがラストランとなる可能性が高い同馬にとって、ベストと言える異国の環境だ。

 

「もともと能力の高い馬だと思っていたけど、海外でようやく本来のパフォーマンスを出すことができた。苦手の地下馬道がないことや、パドックの周回時間が短いこともあるけど、一番は滞在しての競馬が合っているんだろう」(武豊)

 

 日本ではモーリスの後塵を拝したが、得意の海外なら話は別。1着以外はすべて着外という個性派が真の力を発揮した時、この馬の前を走ることができるライバルは果たしているのだろうか?

 

「モーリスの前走は本当に強かった」と認めつつ、鞍上は逆襲の手応えを口にする。

 

「モロさもあるけど、力を出した時のこの馬はすごい。昨年勝っているから今年はマークもきつくなる? みんな、この馬のことはよく分かっているから、下手に共倒れになるようなことをしてくるかな。戦法が分かりやすい…それがいいほうに出ることもある」

 

 リミッターを外した競馬こそ、エイシンヒカリの真骨頂。追って切れる脚こそないが、肉を切らせて骨を断つ競馬なら無類の強さを発揮する。その背にまたがるのは、逃げ切りが難しい東京芝2400メートル=ジャパンCを見事に攻略した武豊。続くチャンピオンズCは2着に敗れたが、騎乗は完璧だった。この日本が誇る“最強コンビ”なら三度、世界を驚かせても不思議はない。