【マイルCS】2年半ぶりGI・2勝目ミッキーアイル 今後のローテは「二刀流」

2016年11月21日 21時32分

GI・2勝目を飾ったミッキーアイル(奥)

 20日、京都競馬場で行われたGI第33回マイルCS(芝外1600メートル)はミッキーアイル(牡5・音無)が逃げ切り勝ち。2014年のNHKマイルC以来となる2つ目のGIタイトルを獲得した。一方で優勝馬は1番人気サトノアラジンなど、4頭を妨害する斜行も…。場内騒然となった秋のマイル王決定戦を検量室前の取材からリポートする。

 

 遠回りは無駄ではなかった。

 

 昨年の安田記念(15着)以来のマイル戦。長くスプリント路線を歩んできたミッキーアイルは、果たしてどれだけのペースで逃げるのか? 激流を予想する声もある中で、刻んだ時計は3ハロン通過34秒4。「33秒台、34秒台前半で行けば止まってしまう。ぎりぎり34秒4~5なら我慢ができるんじゃないか」とは戦前の音無調教師。トレーナーが思い描いたVラップをピタリと刻んで、14年NHKマイルCに続く2つ目のGIタイトルを手に入れた。

 

 この“ため逃げ”を可能にしたものこそ、陣営が長い時間をかけて教えてきた我慢の競馬。4歳時からそれまでの逃げ一辺倒の走りを封印し、折り合い=精神面を鍛えてきた。目先の勝ちにこだわることなく、先を見据えた陣営の調教が淀の大舞台で大きな花を開かせる要因となった。

 

「直線の入り口で並ばれて、いつものミッキーならあそこで吸い込まれてしまうのに、今回はしぶとかった」と音無調教師は馬の成長に満足そうに目を細めた。

 

 一方で、素直にマイル王戴冠を喜べないのは浜中。「自分が(直線で)外に斜行してしまって他の馬に大きな迷惑を掛けてしまった。結果は1着になったけど、見ていて気持ちのいいレースにはならなかったと思う。それはすべて自分の責任。ただ、ミッキーアイル自身は一生懸命に頑張ってくれた」。長い審議を終えた鞍上に笑顔はなかったが、パートナーの走りに関しては最大限の賛辞を贈った。

 

 マイルでGIを2勝したことで、気になるのは今後の路線選択。これに関してトレーナーは「スプリントとマイルの両方でGIを取れる馬に育てたい」と、スプリントとマイルの“二刀流”を明言。「次は暮れの阪神カップを予定していたけど、GIを勝ったので今後はオーナーと相談してから」。次走は未定だが、来春は昨年3着、今年は2着に敗れている3・26高松宮記念でリベンジを狙う形になるだろう。

 

 以前とは違う“大人の逃げ”を装備したミッキーアイル。次のGIではすっきりと勝利を飾って、現役最速のスピードを証明してもらいたい。