オルフェ回避で52億円以上の“損失”

2012年12月10日 10時30分

ジャパンカップで2着に終わったオルフェーヴル

 ファン投票断然1位(9万474票)ながら、年末グランプリ有馬記念(23日・中山競馬場)の回避が決まった5冠馬オルフェーヴル(牡4・池江)。競馬大好き人間はもとより「ダービーと有馬は馬券を買って夢を見る」という“大レース限定ファン”も、さぞガックリしていることだろう。専門家に聞くと、オルフェ回避で52億円以上の“損失”が出そうだというから一大事だ。

 フランスの凱旋門賞2着、先日のジャパンカップでも2着——。「こういう流れだと、有馬でキッチリ勝ってもらって、懐を温かくして1年をスカッ!と終わりたかったんだけどねえ」とリベンジを期待していたのは40代のサラリーマンだ。

 やはり年の瀬最大のギャンブル、有馬記念はある意味、“国民的行事”。スターホースのオルフェーヴルの回避を嘆く声はあちこちから聞かれる。とはいえ、相手は生き物だ。

「状態はいい方に向いてるけど、良化がスロー。残った時間では満足いく状態では出走できないと判断した。全体的に体もしぼんでいるし、毛ヅヤもさえない。活気も物足りない。無理をさせられないのもあるし、まだまだ伸びしろのある馬。来年に影響を及ぼす可能性もあるので、やめる勇気も必要」と池江調教師。

 陣営とて、ジャパンカップの後も有馬記念連覇へ向け出走意欲を見せてはいた。それでもフランス2戦(フォワ賞1着→凱旋門賞2着)と帰国初戦の激走の反動で態勢が整わなかったのだからやむを得ない。
 男らしくオルフェ馬券は諦めるとして、気がかりなのは売り上げだ。年の瀬の競馬の祭典で「売り上げ大幅ダウン」ではどうにも縁起が悪い。来年への景気回復の望みもしぼんでしまう。やはり大きな影響は出るのか?

 経済アナリストの森永卓郎氏は「周囲から『オルフェーヴルは絶対確実だ』と聞いたくらいですから、影響は必至でしょう」と話し、しかも「少なくともファン投票でオルフェーヴルが獲得した票数を、ファン投票上位16頭の合計票数で割った数くらいはマイナスになると思います。馬連や3連単など複数頭の馬券を中心に買う人もいるので、悪ければその2倍まで落ちるのでは…」と独自の計算方法でマイナス分を予測した。

 実際に試算してみると、オルフェーヴルの投票数が9万474票で、上位16頭の票数の合計が64万2180票なので、少なくても約14%のマイナス。その2倍まで考えられるということは、最悪の場合、28%の売り上げダウンまで予想されるわけだが、金額にするとどれくらいになるだろうか。

 昨年の売り上げは約377億円だった。14%減っただけで約52億円が損失となってしまう。尻すぼみで暗〜い年末にしないためにも、ここはひと踏ん張り。オルフェ不在を逆手にとって、高配当を狙い東スポ競馬を熟読して有馬記念を盛り上げてほしいところだ。

 ちなみにオルフェの来年以降について、具体的なローテーションは未定だが、現役続行は決まっている。


「今年は、難しい年だった。思い通りに仕上がったのは凱旋門賞だけだったし、スタッフももっといい状態に持っていけると言っている。凱旋門賞当時の状態にコンスタントに持っていけるようにしたいし、できるんじゃないかな」と池江師も先を見据えている。

 近日中に栗東トレセン近郊のノーザンファームしがらきへ放牧に出されるオルフェ。有馬記念で無理使いして長い休養に入るくらいなら、牧場でリフレッシュしてもらい来年のG1レースでの大活躍を願う——。それが本当のオルフェファンと言えるだろう。