【菊花賞】独走Vサトノダイヤモンド 池江調教師が「凱旋門賞ローテ」明言

2016年10月24日 21時32分

サトノダイヤモンドの背でガッツポーズするルメール。完璧な騎乗だった

 23日、京都競馬場で行われた牡馬クラシックの最終戦・第77回菊花賞(芝外3000メートル)は1番人気のサトノダイヤモンド(牡・池江)が快勝。皐月賞3着、ダービー2着と惜敗に終わった春2冠の雪辱を果たした。戦前にささやかれた距離不安を一掃しての独走V――その要因と、同馬の今後の可能性をリポートする。

 

 ライバル17頭を従えて、サトノダイヤモンドが淀の直線を独走した。追えばまだまだ伸びそうな手応えで、軽々とラスト1冠を手中に入れた。

 

 戦前は母父ブライアンズタイムの血統背景からディーマジェスティのほうに長距離適性を認める声が多かったが、結果はそのライバルに0秒5差をつける完勝。陣営も「3000メートルはベストではない」と語り、距離不安をささやかれたサトノダイヤモンドによる圧勝劇の要因は一体どこにあるのだろう?

 

 日本のクラシック初勝利となったルメールはこう振り返る。

 

「いかに馬をリラックスして走らせるか。それが一番大切だと思っていた。だから、今日はあえてスタートであまり出して行かなかった。だんだんとリラックスして走ってくれて(最後の)4コーナーからは大きいストライドで反応が強かった。それで直線は自信を持って乗れた。3000メートルを走るのは初めてなので少し心配していたけど、彼はとても乗りやすかった。まるで友達のように」

 

 内枠を生かして道中はラチ沿いを距離ロスなく運び、向正面から外に持ち出す。3コーナーからディーマジェスティが進出を開始して馬体を併せに来るが、完璧に折り合ったルメール=サトノダイヤモンドは馬なり。手応えの差は歴然で直線を迎えるまでにライバルとの勝負は終わっていた。

 

「ルメールが完璧に乗ってくれた」と鞍上をたたえた池江調教師だが、仕上げの面もパーフェクト。休み明けの神戸新聞杯ではまだ余裕のあった体が、本番当日はシャープに研ぎ澄まされていた。「もともと中距離以上の体形をしていたけど、今回はよりステイヤー寄りに仕上げた。結果はどうなるか分からなかったけど、いい状態に持っていけた自負はあった」と胸を張った。

 

 今後については「年内はあと1走。有馬記念(12月25日=中山芝内2500メートル)か、香港ヴァーズ(12月11日=シャティン競馬場芝2400メートル)、香港カップ(同芝2000メートル)の3択です」と話すトレーナーだが、その視線はすでに来年の海外に向いている。「凱旋門賞から逆算したローテーションを組んでいきます」と明言した。

 

 思い返せば、皐月賞よりも前の時点で「サトノダイヤモンドのパワーなら、ヨーロッパの馬場も問題ない」と同馬を評していたルメール。ひと夏を越し、3000メートルを楽々と乗り越える強靱な肉体を身につけたとなれば、今後の活躍、そして池江師悲願の凱旋門賞制覇の夢も現実味を帯びてくる。