【日本ダービー】2冠ドゥラメンテ 秋は3冠か凱旋門賞か

2015年06月02日 21時00分

ドゥラメンテのタテガミに顔をうずめ勝利の味をかみしめたM・デムーロ

 ディープインパクトもキングカメハメハも超えた! 5月31日、東京競馬場で行われた競馬の祭典・第82回日本ダービー(芝2400メートル)は、圧倒的人気の皐月賞馬ドゥラメンテ(牡3・堀宣行厩舎)がダービーレコードで快勝。史上23頭目の“春2冠”制覇となった。注目の秋は3冠制圧か、それとも海外に飛び出すのか…。いずれにしても規格外の怪物ホースから今後も目が離せない。

 

「直線で他馬にぶつかって手前を替えてからがすごい脚。そのままゴールまで伸びた。勝てて良かったし、とにかくうれしい」(M・デムーロ)

 

 2012年産のサラブレッド6897頭の頂点に立ったドゥラメンテ。母アドマイヤグルーヴは03、04年のGIエリザベス女王杯を、父キングカメハメハは04年のダービーを制した歴史的名馬。まさに生まれながらにして栄光を約束された高貴なる血の継承者だ。

 

 牡馬クラシック第1弾の皐月賞はその馬名通りの“荒々しい”レースぶりだったが、約1か月半というわずかな日々で良家のお坊ちゃまはいつの間にか品行方正な青年へと成長を遂げていた。

 

「これまで“荒々しい”とマスコミで言われ続けてきましたが、我々スタッフからしてみれば非常に恥ずかしいこと。もう荒々しくはないのではないでしょうか(笑い)」

 

 共同記者会見に臨んだ堀調教師は開業13年目にして晴れてダービートレーナーとなった喜びよりも、スタッフが一丸となって取り組んだ“しつけ”が首尾よく運んだことに安堵の表情を見せた。

 

「競馬場に着いてから、装鞍所やパドックに至るまで落ち着いたもの。皐月賞時よりも平常心を保てた」と同師。スタートから出して行ったにもかかわらず、必要以上に行きたがるそぶりを見せずに中団でピタリと折り合う。向正面で多少行きたがるしぐさを見せたのはご愛嬌。まさに“お行儀のいい”立ち回りで父が、またディープインパクトがマークしたダービーレコードを0秒1上回る究極時計で栄光のゴールへ飛び込んだ。

 

 鞍上のM・デムーロにとっても記念すべき日となった。「ダービーはJRA騎手となってからは初めて。夢みたい。すごく感動している」と涙を拭いながら喜びを爆発。後方で折り合いに専念…といった安易な方法を取らず、己の腕を信じて果敢に攻めて勝利を勝ち取った度胸と技術は、さすが世界的名手と呼べるもの。馬も人も「完璧」としか言いようがない見事なパフォーマンスだった。

 

 すでに世界最高峰レース、10・4仏GI凱旋門賞(ロンシャン競馬場=芝2400メートル)に登録済み。この件に関して堀調教師は「馬体も精神も完成はまだまだ。もう少し、しっかりとしてからでもいいのでは」と慎重な意見を述べたが、近年屈指の名馬ディープインパクトを始め、多くの日本調教馬が果たせなかった夢をかなえてほしいと願うファンは決して少なくなかろう。夏以降のローテーションは未定とはいえ、いずれは世界の大舞台へ戦いの場を移していくのは同馬の使命だ。青年が英雄へと変貌を遂げていくその過程を、しかと見守っていきたい。