フェノー「秋の天皇賞」も選択肢

2012年09月20日 14時00分

 17日、中山競馬場で行われた菊花賞トライアル・GⅡセントライト記念(芝外2200メートル)は、ダービー2着馬フェノーメノ(牡・戸田)が横綱相撲で貫禄勝ち。ローズS(16日)=ジェンティルドンナに続き“緑帽、サンデーR”が東西で圧巻パフォーマンスを披露した。これでラス冠の菊花賞に向けて盤石の態勢を整えたように見えたが…。急浮上したのは“次なる目標”だった。

 ダービーでやいばを交えたトーセンホマレボシ、ワールドエースが早々に戦線離脱。頂点にハナ差及ばなかったディープブリランテも不在となれば当然の圧勝劇だった。

「“中山の悪夢”を払拭することができました」とは戸田調教師。ダービーで関東最先着を果たしたフェノーメノにとっての鬼門が中山競馬場だった。2歳暮れのホープフルS(7着)、皐月賞TRのGⅡ弥生賞(6着)ともに緩い流れに脚を余す形での敗退。秋初戦とはいえ、目に見える結果が欲しかった。

 春当時と違い「モコッと出る」(同調教師)こともなく好発を決めるや好位の外めを確保。折り合いをつけつつ、見下ろしのレーススタイルで4角入り口では早くも先頭に。残る直線は独壇場。最終的な着差は1馬身とはいえ、2着スカイディグニティが届かないのは早々に分かる完璧な競馬内容だった。

「バランスが春より良くなり、道中も落ち着いていた。もちろん自信はあったし、地力で押し切ってくれた」とメモリアルゴールを決めた蛯名も格の違いを強調。当然、関係者からはGⅠ制覇に確かな手応えが聞かれると思われたが…。“本番がどこになるのか”という根本的な問題が浮上している。

 トライアルを制したのであれば菊花賞(10月21日=京都芝外3000メートル)が基本の流れ。だが、レース後に師は「余裕残しのつくりのせいか、今日も直線は内にモタれていた。大一番ではちょっとでもスムーズさを欠くと紛れにつながりかねない。個人的には東京コースの方がレースはしやすいと思う」と左回り=東京コースでの頂上決戦により魅力を感じている。ダービー直後から選択肢に挙げていた天皇賞・秋(10月28日=東京芝2000メートル)へのチャレンジに戸田調教師は含みを持たせた。

 ダービー馬ディープブリランテも秋路線を名言しておらず、ダービー1、2着馬が菊不在の可能性も…。自らの底力で中山コースを攻略し、ついに見えた頂。今後の動向は大いに気になるところだが、文字通りのうれしい悩みを経た末の決断は必ずや大きな成果につながるだろう。