「石坂&武豊」が安田軍団に待った

2012年09月12日 14時00分

 9日、阪神競馬場で行われたGⅡセントウルS(芝内1200メートル)は武豊騎乗のエピセアローム(牝3・石坂)が昨年の小倉2歳S以来、1年ぶりの重賞タイトルを手にした。強豪との叩き合いを制した同馬が次に狙うのはGⅠスプリンターズS(9月30日=中山芝外1200メートル)。厩舎の先輩アストンマーチャン(07年)以来の3歳牝馬によるスプリントGⅠ制覇へ向け、一気に視界が開けた。

「GⅠ級の強豪を差し切ったんだからね。満点回答だよ」

 石坂調教師の目尻が下がるほど、トップスプリンターの壁を打ち破ったエピセアロームの勝利は鮮烈なものだった。

 前走の北九州記念でも3着とスプリント適性を示したものの、今回は大幅なメンバー強化に開幕の高速馬場…。戦前は課題が山積していた。しかし、その不安も杞憂に終わった。スタートを決めると、好位置を確保して道中はわずかに鞍上が手綱を絞った程度。直線半ばから加速を増して最後は計ったような差し切りVで“テン良し、中良し、しまい良し”。完璧な内容で締めた。

「枠が良くて、置かれないような位置を取ろうと思った。この馬の走りができたし、かなりの素質を感じる。これからが楽しみだよ」。コンビ2戦目となる武豊はパートナーの走りを褒めたたえた。一方、石坂師は名手の手腕を勝因に挙げた。「豊はエピに合うと思っていた。ハミをかむところがなかったし、スピードを最後まで生かしてくれる」

 1年前の小倉2歳Sでは道中ハミをかんで制御不能になりかけた。そんな爆弾を内に抱える3歳牝馬に対して、馬とケンカすることなく呼吸を整えるテクニックを備えた名手。新たな伴侶を得たことがさらなる飛躍につながった。

「オークスまでは女の道を歩んできたが、これからはアストンマーチャンのようになってほしい」(石坂師)。次走はスプリンターズSでのGⅠ挑戦が濃厚。偉大な先輩が頂点に上り詰めた道を歩む。

 スプリント界を席巻する安田軍団。国内でこれに敢然と待ったをかけられるのは“石坂&武豊”の名タッグのほかにない。