【きさらぎ賞】完勝ルージュバック クラシック牝馬戦線主役の座「当確」

2015年02月09日 20時00分

ルージュバック(左)は2馬身差の圧勝

  8日、京都競馬場で行われたGIIIきさらぎ賞(芝外1800メートル)は、圧倒的な支持を集めたルージュバック(牝3・大竹)が完勝で重賞初制覇。末脚の切れに頼ったこれまでの競馬と違って、好位3番手から直線で抜け出す横綱相撲。牝馬クラシック戦線の主役を決定付けた一戦を詳報する。

 

 舞台はあくまでGIII。だが、牡馬をまるで寄せ付けなかった今回の衝撃はGIの阪神JF(ショウナンアデラ)に匹敵? いや、それ以上かもしれない。休み明けにもかかわらず、牡馬相手の重賞をあえて選択。輸送を経験するための関西遠征には納得できるが、前日の牝馬限定・エルフィンSというチョイスもあったはず。しかし、大竹調教師はサラリとこう返してきた。

 

「距離もあったし、少頭数の競馬になりそうだったので」

 

 折り合い不問で競馬センスは抜群。パドックでの周回でも落ち着き払った印象を与えていたルージュバックだが、実際は「これまでの競馬では見せていないが、気性の荒い面を持っている馬」(同師)とのこと。こすられれば折り合いを欠く可能性もある3か月の休み明け。実際、予想以上の好スタートを切ったことで「最初は少し気が入っていた」とは騎乗した戸崎圭。状況によっては折り合いに難を見せる可能性もあった。GI前に無駄な不安材料をつくらずに済んだのは相手関係ではなく、馬本位でレースを選択した陣営の好判断。もちろん、それもルージュバックの傑出した能力があればこそだろう。

 

「すぐに落ち着いてくれて好位からの競馬。この形で勝てたのは大きいですね。小さい馬ですが、フットワークが大きいので広いコースのほうが間違いなく合う。距離はマイルでもそれ以上でも全く問題はないと思います」と戸崎圭。その視線にあるのは桜花賞か、もしくはそれよりも先のレースか。大竹調教師も苦笑いしながらこう語る。

 

「強い馬は調教師いらずと言うが、この馬は本当にそう。輸送をしても食いは落ちないし、壁をつくらない競馬でも折り合って走っていた。これから何をすればいいのかなと考えてしまいます」

 

 好位から抜け出す競馬もクリアしたことで、同馬の欠点はますます少なくなった。死角らしい死角がないまま3戦3勝で重賞制覇。「間にレースを挟むかどうかはわからないが、桜花賞(4月12日=阪神芝外1600メートル)に進むだろうとは(オーナーサイドから)聞いています」と同師。本番ではGI馬よりも多くの支持を集める可能性は高そうだ。