【京成杯】“辛勝”ベルーフはクラシック狙えるエンジン性能

2015年01月19日 20時00分

ベルーフ(手前)は大外ブン回しで重賞初制覇

【京成杯】18日、中山競馬場で行われたGIII京成杯(芝内2000メートル)は、川田騎乗の3番人気ベルーフ(牡・池江)がハナ+クビ+ハナ差の大接戦を制した。デビュー戦がクビ差、前走のエリカ賞も3/4馬身差と地味に勝ち星を積み上げてきた“異端児”が、父ハービンジャーに初めての重賞をプレゼントした。

 続々と産駒が勝ち上がり、昨年のファーストシーズンサイアーでトップに輝いたハービンジャー。未勝利戦で後続を1秒6も突き放したクラージュシチー、新馬戦で上がり33秒2の末脚を駆使したロカなど派手な勝ちっぷりが話題を呼んだ一方で、2戦目の“反動”も注目を集めていた。

 これまで連勝例はなく、重賞では<0・1・0・7>と人気を下回る着順が大半。だが、評価が揺らぎ始めた父の名誉を回復させたのはこれまでの産駒とキャラクターの異なる息子だった。これがまた面白い。

 過去3戦が1→2→1着とベルーフの戦歴はほぼ完璧。それでいて前述馬のような圧勝はなく、印象はどことなく地味だ。リーディング上位常連の厩舎、騎手、馬主でありながら3番人気に甘んじたのは強烈なインパクトに欠けるからだろう。しかし、辛勝続きの理由が決して能力欠如でないことは、わざわざ東上した主戦・川田の言葉から浮き彫りになる。

「今日は前走に比べればだいぶ真面目に走ってくれましたね。元から非常にいい馬ではあるんだけど精神面の幼さがあって…。今後は大人になりながらさらに成長してもらいたい」

 トップクラスのジョッキーが手を焼くほど口向きが悪ければ、当然ながら実戦で発揮される能力は七~八分といったところ。それでも大敗なく勝ち星を重ねたことにエンジン性能が段違い、という結論が導かれる。実際、今回のGIII制覇の内容も“排気量”の大きさを物語るもの。5ハロン通過61秒9と先行勢が残ってもいい流れを4角12番手からの差し切り。それも終始外々を回るロスがあってのものだ。2着ブラックバゴ以下とは相当の能力差があるとみていい。

「ジョッキーがうまくさばいてくれたこともあるが、中山の大外枠を克服したのは大したもの」と着差以上の強さに満足げな表情を浮かべた池江調教師。今後は滋賀県のノーザンファームしがらきに短期放牧の予定だが、GI皐月賞(4月19日)の予行演習を同舞台で完了させ、賞金も十分加算したとあれば、ステップレースの選択に頭を悩ますこともないだろう。

「スタッフがいろいろと考えて調教を工夫してくれた成果が出た」と続けた同師。今後の課題はメンタル面の修行の密度をより濃くすることに尽きる。