【日本ダービー】ディープ産駒4連覇へ〝異端ローテ〟で臨む2頭に注目!

2021年05月24日 11時30分

毎日杯でクビ差の接戦を演じたシャフリヤールとグレートマジシャン

 やっぱりディープインパクト産駒かも!? 無敗の皐月賞馬エフフォーリアが話題の中心の第88回日本ダービー(30日=東京芝2400メートル)だが、警戒すべきは何といっても歴代最多タイのダービー6勝を誇るディープインパクト産駒だろう。2018年ワグネリアン、19年ロジャーバローズ、20年コントレイルと目下3連覇中で、今年は6頭が参戦する。中でも気になるのが3月の毎日杯から直行という〝異端ローテ〟で臨む1着シャフリヤール、2着グレートマジシャン。ひょっとして歴史の扉が開くかもしれない。

 一級のディープインパクト産駒は、ダービーに向けて急激な上昇カーブを描く。そんなシーンを何度も見てきた。コントレイル、ワグネリアン、マカヒキ…偉大な先輩たちの足跡をたどるように、シャフリヤールもまたここにきて急上昇を告げている。

 レコードで快勝した毎日杯時点でも、まだトモに緩さを残していた同馬。その後は皐月賞をパスして、ダービー一本を目標に調整されてきた。その英断が実を結んだ。

「体重はそれほど変わらないと聞いていたけど、久々に乗ったら馬がものすごく大きくなっている感じがした」

 主戦・福永の笑顔が馬体の充実ぶりを物語る。

「以前に比べて落ち着きも出てきた。体が整ってくるとストレスが減って、馬もおとなしくなるんだよ」

 ディープインパクト産駒のコントレイル、ワグネリアンでダービー2勝の名手が「初勝利をした時に、この馬でダービーだなと感じた」と話した逸材だ。期待通りの成長に胸が高鳴る。

 全兄のアルアインは皐月賞、大阪杯とGⅠ2勝。未知の距離についても、鞍上は「アルアインのイメージで2000メートルまでと思われるかもしれないが、この馬は2000メートル以上。東京の2400メートルはぴったりだと思う」と言い切る。

 ベストの舞台で父ディープインパクトの最強DNAが覚醒…。エフフォーリア逆転のシナリオは着々と進んでいる。

 一方のグレートマジシャンは、毎日杯ではシャフリヤールにクビ差の惜敗。ただ「1ハロン目から300メートルくらいハミをかんで力んでた。それに勝負どころは外々を回る形でのもの。内容自体はすごく良かった」と宮田調教師の評価は勝ちに等しい。

 振り返れば、新馬→セントポーリア賞ともに陣営の予測を超える走りを見せてきた。世界的良血とはいえ〝重厚さ〟が先走る兄姉は大成とまではいかず、しかも「古馬になってからだと思っていた」というような晩成傾向もあった。緩さやソエが残る状況で半信半疑な部分を残しながらデビューから2連勝、そしてレコードの毎日杯での小差。「直線に入っての加速力が最大の魅力。セントポーリア賞で、直線前の馬に並びかけていった走りは一流馬のそれ」。想像以上の走りに、ノーザンファームや国枝厩舎で多くの一流馬に携わってきた宮田調教師も最大級の賛辞を贈る。

 前走後、ダービー一本に絞った〝賭け〟にも勝利。「出走枠に入れるかヤキモキしていた分、(出走が決まって)緊張してきました。ただ、出ることが終わりではない」と最善の結果を追い求める。「前走はすっきりした感じだったけど、今は張りがあっていい体をしている。この1か月半ですごくパワーアップしている。1週前追いで戸崎(圭)ジョッキーにもいい印象を持ってもらえたし、しっかりとレースに向かっていきたい」

 開業2年目でのダービー挑戦、いや制覇のチャンスさえ得た新進気鋭の若きトレーナー。その手腕、戦略をサポートする厩舎スタッフ、牧場やオーナーサイド。そして良血馬の底力と成長度、出走枠に滑り込んだ運…。

〝偉大な奇術師〟による鮮やかなダービー奪取劇なるか? タネも仕掛けも十分に揃っている。

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