【桜花賞】超速レコードVのソダシ アイドルから歴史的名牝へ

2021年04月12日 11時30分

アイドルから歴史的名牝へ――。ソダシの背で吉田隼は観客にアピールした

 脱アイドル宣言――。11日に阪神競馬場で行われた牝馬クラシック第1弾・GⅠ第81回桜花賞(芝外1600メートル)は、2番人気のソダシ(須貝)が1分31秒1の超速レコードで優勝。白毛馬初のクラシック制覇を成し遂げるとともに、昨年のデアリングタクトに続く史上8頭目の無敗の桜花賞馬に輝いた。あらゆる障壁を乗り越えて無敗街道を突き進む姿は、すでにアイドルホースの域を超えている。この先に待っているのは史上初の白い3冠馬誕生の歴史的シーンだろうか。

 アイドルホースからスーパーホースへ――。純白のヒロイン、ソダシが歴史的偉業を成し遂げた。最速の上がり32秒9の豪脚で襲いかかるサトノレイナスをクビ差抑えてレコードV。世界初となる白毛馬によるクラシック制覇を成し遂げた。「ソダシ、すごいことをやったな」。ともに桜花賞初制覇となった須貝調教師、吉田隼は興奮を抑えられない様子でレースを振り返った。
 
 馬の力を信じていた。「相手がどうとか、ペースがどうとかじゃなく、ソダシに対して素直に乗ってこよう」

 陣営の作戦は極めてシンプルだった。好発を決めて好位の3番手を奪うと、直線入り口で早めにスパート。無敗のプレッシャーに負けることなく、勇気を持って前に出た。「他の馬の目標になってしまったけど、瞬発力勝負になるのだけは嫌だった」(吉田隼)。鞍上のゲキに応え、白毛の2歳女王は誰よりも速く仁川のターフを駆け抜けた。
 
 ゴール後、左手を高々と天に掲げた鞍上は「話題だけで本当に強いのか?と見られていて、何とか見返してやろうと思っていた」と胸を張った。
 
 課題のスタートもうまく決まった。「前走よりもゲート裏で回っている時の雰囲気が良かった。すごく落ち着いてゲートに入れて、中の雰囲気も良かった。厩舎の方々のおかげです」。母ブチコも苦労したゲート“受難”の血統。2月初旬に帰厩してからは何度も何度も練習を重ねてきた。その成果が最高の形で実を結んだ。
 
 レース後に愛馬を迎え入れた須貝調教師も感無量の表情だ。「阪神の桜は散ってしまいましたが、ターフに白いお花を咲かせることができました。こういうコロナ禍の状況ですが、少しでも明るいニュースを届けられて本当に良かったです。ソダシに関わってくれたすべての関係者の皆様に感謝です」。その目には光るものが…。
 
 これで5戦5勝。今後はさらに胸を張って王道のド真ん中を突っ走っていく。次走については「ダービーにも登録しているけど、オークス(5月23日=東京)になるかな」と金子真人オーナー。2400メートルは未知の領域となるが、一戦一戦、ファンの想像を超えてくるこの馬ならそれも難しいミッションではない。
 
 この日の阪神は超のつく高速馬場。コースレコード=1分31秒1の極限決着で勝ったことに「クロフネ産駒でこういう結果を出せたことは自分としても自信になる。ここを勝ってくれたことで、先は無限大にあると思う」と吉田隼。その言葉を借りれば、史上初の白毛3冠馬誕生も夢ではない。ソダシのシンデレラストーリーはまだ始まったばかりだ。

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