<新人騎手>義英真「年間1000鞍騎乗は信頼の証し」

2014年08月02日 09時00分

“再浮上”へ意欲をみせる義

<連載:今年は当たり年!?新人騎手ローカル奮闘中(4)>

 義英真(18)の初勝利は新人騎手の誰よりも早かった。デビュー翌日の3月2日阪神1R3歳未勝利。所属する崎山厩舎のサカジロヴィグラスで3馬身差の逃げ切り勝ち。スタンドで見守る両親の前で最高のスタートを切った。

「同期で一番に勝てたのは目立つし、本当にうれしかったです。両親にも喜んでもらえて、ジョッキーになってよかったと思いました。これまでの恩返しが少しできたかなって」

 翌週9日の阪神3R(3歳未勝利)では、11番人気のワードイズボンドを逃がして初勝利に導き3連単99万4790円の大波乱を演出。「モマれ弱い個性を考えて会心の騎乗ができました。今までのベストレースです」。自身のアピールポイントである研究心を発揮して6・13・10・15着と大敗が続いていた馬を一変させた。

 3月30日に3勝目を挙げ、新人トップの成績で“プロ”1か月目を終了。このまま着実にキャリアを積み上げていくかに思われたが…徐々に白星が伸びなくなり、心に迷いが生じるようになる。

「ローカル競馬が始まってから(同期に)一気に抜かれてしまったんです。そこで気負ってしまったことが、マイナスになってしまいました」

 勝ちたい――。思いとは裏腹になかなか結果が出ない。誰にも相談できない不安を抱えながら、葛藤していた。そんな彼を救ったのは、競馬学校時代から体のケアをしてもらっている専属トレーナー・飯尾直尚さんのひと言だった。「英ちゃんは、焦っているから勝てないんだよ」

 心がスッと軽くなった。雑念が消え、レースに集中できるようになった。すると歯車がカチリとかみ合い、7月5日の中京8Rで1か月ぶりの勝利が舞い込んだ。「目先の結果だけじゃなく、経験を積むことも大事なんだ」。ひと鞍ひと鞍を大切に乗る。デビュー時の誓いを新たにした瞬間だった。

 目標とするジョッキーは同郷の幸。「幸さんのように年間1000鞍乗れるジョッキーになりたいんです。それは周りの方々に信頼されないとできないことだから」

 7月27日の開催を終えた時点でのJRA通算成績は313戦7勝。栗東の同期2人に勝ち星では及ばなくても、騎乗数は誰よりも多い。「数多く乗せていただいているという経験が、これから必ず生きてくると信じています。新人賞を取りたいし、GⅠを勝てるジョッキーになりたい」。挫折を乗り越え、成長していく18歳の夏に注目だ。

☆よし・えいしん=1995年10月13日生まれ、鹿児島県出身。血液型=AB。3月1日に阪神競馬場でデビュー。翌日にサカジロヴィグラスでJRA初勝利を挙げた。27日終了現在のJRA通算成績は313戦7勝。好きな言葉は「向上心」。