【スプリングS】池添兄弟に導かれてヴィクティファルスが重賞初制覇 興味が尽きない脅威の対応力

2021年03月22日 11時58分

ゴール寸前のアサマノイタズラをヴィクティファルス(手前)は大外から豪快に差し切った

 中山競馬場で行われた皐月賞トライアルのGⅡスプリングS(芝内1800メートル、3着まで優先出走権)は、3番人気のヴィクティファルスが大外一気を決めて皐月賞切符を手にした。キャリア3戦目での重賞制覇は、同馬を管理する池添学調教師(40)と兄である池添謙一(41)との兄弟コンビで達成された。2人で切り開いたクラシックへの道のりはいかに――。

 1番人気のボーデンをかわしたアサマノイタズラに“大金星”が見えた瞬間、さらに外から伸びたのが3番人気のヴィクティファルスだった。

「返し馬の感じから折り合いを大事にしたいと思い、それを頭に入れて進めました。いい形で馬の後ろを取れたし、こんな馬場でもリズム良く走れていました。ポテンシャルが高いですね」

 大外から直線ゴボウ抜きのパフォーマンスは、池添が3週続けて追い切りにまたがって同馬の癖などを手の内に入れていればこそ。初コンビながらも息ぴったりでの皐月賞チケット奪取だった。

 今回でキャリア3戦ながら、驚くべきは様々な状況への対応力。新馬勝ちから臨んだGⅢ共同通信杯では初の左回り、輸送を克服し、皐月賞で人気の一角になるエフフォーリアの2着に奮闘。中山に舞台を移した今回はあいにくの荒天で重馬場だったが、それも難なくクリアした。管理する池添学調教師は実戦での勝負強さを強調する。

「周りに惑わされず、ワンテンポ遅らせた、いい勝ち方でした。風を嫌がるのがどうかと思いましたが、走りだしたら大丈夫でしたね。まだ性格は遊びたがりで幼いですが、競馬に行くと折り合いや操作性がいい」

 またひとつ経験値を増やした同馬に対して、トレーナーが期待するのは成長曲線の振り幅だ。

「今ももちろん期待していますが、(むしろ)古馬になってからが楽しみなんです。その中で結果を出してくれました」

 それもあってか、皐月賞についてはあくまでレース後の様子をチェックして“いい状態でのみ使う”と冷静な姿勢を陣営は崩さない。とはいえ、この対応力&成長力なら初距離も難なくクリアして、GⅠ戴冠のシーンさえ浮かんでくる。

 鞍上の池添は11年のスプリングSをオルフェーヴルで勝利。同馬はその後、3冠を一気に制した。もちろん、現時点で比べることはできないが、確かなのは弟である池添学調教師との兄弟コンビでの重賞初制覇は格別なものだっただろう。クラシックの舞台で“兄弟鷹”が今後どんな戦いを繰り広げていくのか…興味は尽きない。

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