【金鯱賞】最低人気ギベオンが番狂わせの逃走V 藤原英調教師「鞍上が指示、作戦をよく実行してくれた」

2021年03月15日 11時59分

西村淳=ギベオン(右奥)は渾身の逃げでデアリングタクトの末脚を封じた

 中京競馬場で行われたGⅡ金鯱賞(芝2000メートル=1着馬に4・4大阪杯優先出走権)は、単勝2万2730円の最低人気ギベオン(牡6・藤原英)が、無敗で牝馬3冠を達成したデアリングタクトを破る大金星。騎乗した西村淳也(21)はデビュー4年目でうれしい重賞初Vとなった。大波乱を巻き起こした裏には策士・藤原英昭調教師と鞍上の綿密な打ち合わせがあった――。

 京都競馬場スタンド改修の余波で、昨年9~10月に4節、そして今年初めに6節の代替開催があった中京競馬。開催過多が続いて芝は見た目に荒れて馬場状態も悪いのだが…。荒れているにもかかわらず内を通った先行馬が踏ん張るという特殊なコンディションが前開催から続いていた。それを敏感に察知した陣営は戦前から綿密な計画を練っていたのだ。

「先生(藤原英調教師)と枠順が決まってから相談して、スタートが良ければハナへ行こうと話していた」と殊勲の西村淳。同型のキセキが控えたこともあって果敢に先手を奪いにいったのが最大の勝因。道中はマイペースで運べたうえに、圧倒的1番人気のデアリングタクトは他馬に位置を取られて中団につける形。直線は外へ持ち出す自分のスタイルを貫かざるを得なかった。ほかの有力馬が、馬群がバラけた直線で外を通ってくれたのも後押し材料となった。

「3~4角にかけて手応えが悪くなったけど、直線はもう一度伸びてくれた。内、外離れていたので勝ったか分からなかったけど、重賞を勝ててうれしいですね」とデビュー4年目で重賞Vを飾った鞍上は笑顔を見せた。

 13、14日で女性騎手の古川奈&永島が初勝利を飾るなど、新人ジョッキーが早い段階で次々に勝ち上がり、1つ年上の横山武は昨年、関東リーディングを獲得。そして西村淳が大波乱を呼ぶ重賞初V…。ここにきて若手の台頭が著しい。

「悪い馬場、展開など、いろいろ条件に助けてもらった。鞍上が指示、作戦をよく実行してくれた」と藤原英調教師は西村淳の好騎乗を褒めたが、現中京コースの特殊性をしっかり見抜いて指示を与えたあたりは、さすが敏腕トレーナーと言うしかない。

 次走は未定だが、もともと3歳時にGⅠ・NHKマイルC2着、当地でのGⅢ中日新聞杯Vがあって将来性を高く評価されていた馬。6歳を迎えてさすがに一線級との“ガチ対戦”となると荷は重いが、まだまだ活躍できる場は残されている。そのあたりは適性や状態を考慮して次のターゲットを決めるはずで、それこそが“名将”藤原英調教師の手腕の見せどころにもなる。

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