JRA女性騎手が新たに2人誕生で中村均氏が思い描く「魅惑の女性騎手シリーズ」創設の未来

2021年02月10日 11時30分

令和のキャンディーズ?左から永島まなみさん、藤田菜七子騎手、古川奈穂さん

 令和のキャンディーズが競馬界に新たな風を吹き込む――。JRA(日本中央競馬会)は9日、令和3年度騎手免許試験の新規合格者8人を発表した。その中には永島まなみさん(18)、古川奈穂さん(20)の女性2人が含まれており、3月からはJRAに3人の女性ジョッキーが在籍することになる。すでにアイドル並みに人気を博している藤田菜七子(23)とともに3人娘がJRAにとどまらず、地方を含めた競馬界全体を盛り上げていく可能性も。本紙専属競馬評論家の中村均元JRA調教師(72)が女性ジョッキーの未来予想図について持論を展開した。

 以前、藤田菜七子騎手の師匠である根本調教師に対し、こんなことを言ったことがありました。「菜七子ちゃんみたいなジョッキーがこれからどんどん増えていけば、いずれ女性騎手だけでレースができる日が来るんじゃないか」。その時は根本君に一蹴されました。「先生、菜七子みたいなジョッキーが簡単に出てくるはずないじゃないですか。あの子ほどの素質を持った女の子はなかなかいないですよ」と。

 しかし、今年こうして菜七子さんに続く2人の女性が騎手として誕生しようとしています。それだけじゃない。さらにその下の世代にも今、競馬学校でジョッキーになろうと必死に頑張っている女性がいます。おそらく菜七子さんが活躍して、メディアに多く取り上げられたことで、ジョッキーを目指す方が増えてきているという側面があると思います。このいいサイクルが続いていけば、8人、いや10人のJRA女性ジョッキーが同時に手綱を取っていたとしても不思議はありません。

 現在、中央競馬では騎手免許を取得してから7年未満の若いジョッキー限定で「若手騎手競走」という番組を組んでいますが、私が描く未来予想図はそれの女性版である「女性騎手競走」の創設です。中央競馬の女性騎手だけでレースを組むのです。ボートや競輪の女子レースは男子のそれをしのぐほどの人気があると聞きます。フランスのミカエル・ミシェル騎手や菜七子さんの活躍を見ても、女性ジョッキーはファンも多く、今の競馬人気のさらなる火付け役を担っています。女性騎手競走をシリーズにして定期的に行えばJRAでもきっとブームを巻き起こすことでしょう。パワーという点では男性に劣ってしまいますが、技術は決して引けを取りませんし、馬に対する優しさ、アタリの柔らかさという点では女性ジョッキーのほうが上ということもあります。きっと見応えのあるシリーズ戦になるはずです。海外や地方競馬には多くの女性ジョッキーがいますし、ゆくゆくはそうした騎手との交流もより活発になるでしょうね。

 もちろん、根本君が言ったように簡単にできることじゃない。でも、そこに進む価値はあります。おそらく、JRAも長期的にはそうしたビジョンを持っているのではないでしょうか。これを実現させるためには、競馬サークルが一丸となって環境づくりに努めなければいけません。存分にその騎乗技術を生かす場をつくってあげるのです。それができれば…10年後、いやもう少し早い未来に“魅惑”のJRA女性騎手シリーズが始まっているかもしれません。

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