【チャンピオンズC】チュウワウィザードがついに天敵を撃破 大久保調教師「プランをジョッキーがほぼ忠実に遂行してくれました」

2020年12月07日 11時45分

右ムチでチュウワウィザードを鼓舞して2馬身半差V。まさに完勝だった

 中京競馬場で行われたダート王決定戦・第21回チャンピオンズカップ(1800メートル)を制したのはチュウワウィザード(牡5・大久保)。過去に3戦3敗と苦杯をなめさせられ続けてきた〝天敵〟クリソベリルを徹底的にマークし、4度目の対戦でついに雪辱。JRA・GⅠ初勝利を決めた。打倒クリソベリルを成し遂げるため、練りに練り上げた陣営の作戦と、その執念が実った頂上決戦を改めて振り返ってみたい。

 過去最高――。この日のチュウワウィザードはそのような形容詞がふさわしい絶頂のデキだったかもしれない。その一方で対クリソベリルは過去3戦3敗。特に前走のJBCクラシックは逆転を望むのが酷と思えるほどの完敗(0秒9差)だった。ただ、この敗戦が2頭の序列を変えるきっかけになったのであれば、それはチュウワウィザードにとって〝絶対に必要だった負け〟と言えるかもしれない。

 当時を「当日の天候から〝前に行ったほうがいい〟とプランを変更したのですが、結果的にいい目標となってしまった」と振り返る大久保調教師。締まった馬場(稍重)を考慮し、2番手からの先行策で挑んだが…。それではクリソベリルに勝てない、との結論を出したのだろう。

「ずっと勝てなかった馬を負かすためにはどうしたらいいのか? それだけを考えてました。プランのすべてを話すことはできませんが、レースを見てくれたらそれが分かってもらえると思います。戸崎(圭)騎手がほぼ忠実に遂行してくれました」とトレーナー。「追うもの」と「追われるもの」の立場がより鮮明になったことが今回のレースの明暗を分けた? クリソベリル徹底マークの姿勢を見せたこの日のチュウワウィザードには鬼気迫るものがあった。

 もちろん、その立役者は手綱を任された、3歳夏(麒麟山特別1着)以来のコンビ復活となった戸崎圭。「こちらから先に踏んで行く形のほうがいいので早めに動いたんですが、並ぶところなくかわしていけた。いい手応えで回っているとは思っていたんですけどね」と天敵を一蹴した瞬間をこう振り返る。

 クリソベリルだけが相手だったわけではないが、同馬がいたからこそポジションを1つ下げ、その状況から前を追えた。初のJRA・GⅠタイトルをもたらした今回の一戦はチュウワウィザードが自身のスタイルを熟成させた一戦となった。

「地方で大きいレースを勝たせてもらっていますが、今回の勝利は格別です」と喜びを率直に語った大久保調教師。その一方で「コロナの影響で今春は断念した海外遠征。これについて考えてみたい気持ちがある」とさらなる高みを目指す可能性を否定しなかった。

 今後は川崎記念(1月27日=川崎競馬場・ダート2100メートル)の目を残しながら、サウジカップ(2月20日=キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)と、ドバイワールドカップ(3月27日=メイダン競馬場・ダート2000メートル)も候補に入れるという。新しい王者となった5歳牡馬の今後を大いに注目したい。