
3歳クラシック、同牝馬GⅠで3冠を達成した3頭(アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクト)による伝説のレースとなること必至のJRAのGⅠ・ジャパンカップ。日本競馬史上初の歴史的一戦を前に、さまざまな「3強列伝」を振り返ると――。
「三国志」に限らず、人々を魅了する三つどもえの戦い。競馬界では、平成初期の「オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワン」や「ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウイニングチケット」、古くは昭和後期の「マーチス、タケシバオー、アサカオー」「ランドプリンス、ロングエース、タイテエム」などがネット上で挙げられており、いずれもGⅠタイトルを分け合うような強さだった。
とりわけ熱かったのは1976~77年に競い合ったトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス。「TTG」と称された3頭が他の3強勢を圧倒するのは、3歳と古馬双方の時代にGⅠでデッドヒートを演じ、うち3レースで1~3着独占、どの馬も勝っていることだ。
3頭揃ったレースでは76年の菊花賞をグリーングラスが制し、77年の宝塚記念はトウショウボーイ、同年の有馬記念はテンポイントの勝ち鞍に。GI勝利数ではアーモンドアイらに及ばぬものの、TTマッチレースと化した77年有馬などファンの記憶に刻まれた。
競馬を離れたところでは、テニス男子で現在進行中の3強が。08年と18年に4大タイトルを3人で占めたロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)は、前出の2年以外でも2人で4冠獲得など、その覇権は10年以上にわたる。
日本では男子プロゴルフで「AON」と称された青木功、尾崎将司、中嶋常幸が三つどもえでしのぎを削った。76~83年の賞金王はこの3人以外に譲らず、86年は1位中嶋、2位尾崎、3位青木と上位独占。最高峰の日本オープンでは88年、激闘の末に優勝した尾崎と1打差の2位タイに青木と中嶋が並び、名勝負として語り継がれている。
アーモンドアイのレース後引退により、ワンマッチ限定となる令和の3強対決はいかに…。
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