【JC】コントレイルが不安一蹴の最終追い切り! 矢作調教師「この1週間でうんと良くなった」

2020年11月25日 11時32分

福永を背に真一文字に駆けてきた

  世紀の大一番ジャパンカップ(29日)へ向け、無敗の3冠馬コントレイルが25日朝、栗東トレセンで最終追い切りを行った。菊花賞から1か月。激走のダメージが心配される中で行われた最終追いでは主戦・福永を背に坂路で華麗な動きを披露、完璧なフィニッシュで周囲の不安を一掃した。決戦へ向け、コントレイルに一点の曇りなし――。

 菊花賞では偉大なる父ディープインパクトに肩を並べる、史上3頭目の無敗での牡馬クラシック3冠制覇を達成。しかしその伝説はまだ終わってはいない。令和の時代に現れた新星の見る夢の続きは、父でさえ成し得なかった偉業。3歳にしてのGⅠ4冠完全制覇。現役最強を証明する頂上決戦へと挑戦する。

 ジャパンカップ参戦の理由について矢作調教師は「選択肢としては有馬記念とのどちらかということになるんですが、コースの特徴などを考えるとより適性があるのはダービーを勝った東京2400メートルという条件になると思います」と簡潔に説明。ただし、3冠を戦い抜いた3歳馬、特に牡馬にとっては菊花賞で3000メートルを走った後の疲労からの回復を図るには、ジャパンカップまでの中4週はタイトなローテーションとも映る。実際、今年の菊花賞はゴールまで勝敗の行方が分からないほど、2着アリストテレスと馬体を並べての激しい追い比べの末の辛勝。いかに並外れた心肺機能の持ち主とはいえ、疲労が残っていないかの確認は慎重に行われた。

 まずはレース後に異常が見られないかをトレセンでチェックしたうえで、ホームである鳥取県大山ヒルズへと放牧。一旦はオフになった状態での確認には矢作調教師も自ら出向き、オーナーサイドとも協議の末、出走への決断がなされた。

「少しでも気になるところがあればと思っていたけど、本当に何も悪いところはなく、やめる理由が見つからなかった」と矢作調教師でさえもその回復力の早さには驚いた様子を見せていた。

 レース2週前となる12日に栗東トレセンへと帰キュウしてから、その状態のチェックに余念がないのは主戦の福永。1週前の水曜追いに騎乗すると、金曜にはゲート駐立練習の手綱を取った。ここまでは今までと同じルーティンなのだが、今回は当週火曜の調教にも騎乗。「良化度合いを確かめたかったんだけど、先週より歩いている時からいい雰囲気となっていた。キュウ舎スタッフやみんながうまく調整してくれている。これなら大丈夫」と自ら納得して25日の最終追い切りを迎えた。

 最終調整は坂路での単走追いとなったがもちろん、福永が騎乗して行われた。前半こそ少し頭を上げようとする場面も見られたが、それをなだめつつ一完歩ずつ呼吸を合わせ、ラストまでしっかりとした脚どり。心技体ともにバランスの取れた完璧な走りで、4ハロン53・3―12・2秒で締めくくった。

 矢作調教師は「帰キュウしてすぐは馬体の張りなどに少し物足りなさも感じたんだけど、1週間でうんと良くなった。出走へ向けて何の問題もありません」とその仕上がりに自信の表情をのぞかせる。アーモンドアイ参戦の一報を受けた際にも「何十年に一度あるかどうかの顔合わせとなって、またそれに関われることに感謝しながらワクワクしています」と一人の競馬ファンに立ち返ってその喜びを伝えたのも矢作調教師。“牝馬の時代”を象徴する最強馬と、夢の対戦がいよいよ実現する。