【エリザベス女王杯】杉山晴調教師の「人間力」が加藤=ミスニューヨークをVに導く!

2020年11月13日 17時30分

秋華賞5着のミスニューヨーク。穴馬としての資格は十分だ

【エリザベス女王杯(日曜=15日、阪神芝内2200メートル)栗東トレセン発秘話】杉山晴厩舎は今年、これまでにJRA36勝。勝ち星で厩舎に貢献している騎手上位5人を並べると以下のようになる。

 ①松若〈6・2・7・35〉
 ②松山〈4・6・5・17〉
 ③加藤〈4・0・1・8〉
 ④長岡〈3・1・1・19〉
 ⑤西村〈2・1・1・1〉

 無敗の3冠牝馬デアリングタクトとのコンビで全4勝を挙げている松山に対して、加藤も4勝、長岡は3勝と今年の通算勝利が10勝にも満たない2人が上位にランクインしているのが特徴的だ。

 長岡は小倉記念のアールスターでうれしいJRA重賞初Vを達成。杉山晴調教師とのタッグはトレセンに入る前にトレーナーが在籍した牧場の後輩にあたる美浦の調教助手から「長岡が関西に修業へ行くので調教だけでもいいから面倒を見てほしい」と懇願されたのがきっかけだった。

 新進気鋭のトレーナーとして、その技術力を高く評価されている杉山晴調教師は、積極的に調教を手伝ってくれる若手にチャンスを与える。彼らもそれに応えて結果を残してきたことが先の数字に表れている。「馬」以外に「人」も育てるこの男には人を引きつける魅力がある。当方は杉山晴調教師とは15年来の付き合い。調教助手時代から馬づくりの確かさは認識していたが、人をも育てる彼の「人間力」のすごさに改めて感服した次第である。

 エリザベス女王杯に出走するミスニューヨークは前走の秋華賞で長岡が騎乗。16番人気の低評価ながら5着に食い込む健闘を見せた。一方でデビューから手綱を取り続けていたのは加藤。秋華賞は騎乗停止による無念の乗り替わりだった。トレーナーには結果を出した長岡にそのまま手綱を任せる選択もあったが、加藤にもう一度、チャンスを与えるほうを選んだ。

「秋華賞は頑張ってほしいなと思って見ていました。強い競馬内容で改めて力があるなと。乗せてもらえる確信がない中で、秋華賞の翌週木曜に杉山(晴)先生から“次はよろしく”と声をかけてもらえて…。とにかく感謝の気持ちでいっぱいです。新馬戦(3着)から乗せてもらって思い入れのある馬。大きなチャンスを頂いたので、なんとしても、いい競馬をしたい」と加藤は感謝の気持ちを持って大一番へと臨む。

 紫苑S、秋華賞とも道中でスムーズさを欠きながらの5着。一発の魅力は十分に秘めている。そんな可能性のある馬で大舞台を迎えられるのは、常に感謝の気持ちを忘れず、競馬に真摯に向き合い、ひたむきな努力を重ねてきたからこそだ。一度は諦めかけた大舞台。加藤=ミスニューヨークに最高の結果がもたらされることを願わずにはいられない。