【エリザベス女王杯】平凡Vタイムに隠されたセンテリュオの本質

2020年11月13日 17時59分

怖いくらいに気合が乗っているセンテリュオ。昨年4着のリベンジを狙う

【エリザベス女王杯(日曜=15日、阪神芝内2200メートル)新バージョンアップ作戦】GⅠリスタートとなる第45回エリザベス女王杯は、世代“闘走”が大きなテーマ。無敗のデアリングタクトを除く3歳世代を「数字の裏付けなし」と断を下した新VU作戦の明石尚典記者は5歳のセンテリュオに◎。平凡なVタイムに隠された本質を領得して主軸に指名した。

 アーモンドアイが前人未到の芝GⅠ8冠に到達した天皇賞・秋。そのレースが行われた11月1日終了時点で〈1・2・0・16〉。古馬混合の芝重賞で勝率5・3%の低打率にあえいでいたのが現3歳世代だ。オーソリティのアルゼンチン共和国杯快勝で劣勢にピリオドの見方もできるが、同馬の青葉賞Vタイムはダービー(2分24秒1)のはるか上をいく東京芝12ハロン2分23秒0。数字の裏付けを持つ馬がきっちりと能力を発揮しただけ。こんな見方もまた十分に可能だろう。

 翻って今年の3歳牝馬路線。桜花賞=1分36秒1、オークス=2分24秒4、秋華賞=2分00秒6と3冠すべてで目立った数字を残せなかった。無敗で駆け抜けたデアリングタクトは別格としても、後塵を拝したその他の馬がことごとく数字の裏付けを持たないことには留意すべき。最も伸びシロを期待できる3歳の世代レベルに疑義が生じるなら、すでに完成された古馬からの軸指名が最善策となろう。

 センテリュオは前走のオールカマーでようやく重賞初制覇。しかも中山11ハロン2分15秒5の超低速決着では敷居が高いとツッコミが入りそうだが…。そこは角度を変えれば見方がガラリと変わるラップ理論。もちろん明確な根拠があっての◎抜てきだ。

 渋馬場で前半3ハロン38秒2の入り。続く4~6ハロン目も合計38秒6の超スローに陥っては走破時計に伸びを欠くのは当然。むしろ、比重が大きく偏った後半ラップにこそ、本当のレースレベルを読み解くカギが隠されている。

 問題のラスト5ハロンはハイレベルなスピード持続力を要求される58秒7。それも2→2→1ハロンの分割で23秒5→23秒0→12秒2と馬場レベルを感じさせないラップでフィニッシュしている。同じくスロー(前3ハロン37秒2→37秒4)に陥った同開催のセントライト記念(勝ち馬バビット)は、ラスト5ハロンが23秒4→24秒3→12秒7と尻下がり。Vタイムでは譲っても、どちらがより中身の詰まったレースであったかは一目瞭然だ。

 新潟開催の14年を除く近10年でオールカマーからGⅠ勝ちを決めたのは15年マリアライト(5着→エリザベス女王杯)と18年レイデオロ(1着→天皇賞・秋)。15年は23秒6→23秒1→11秒8でラスト5ハロン合計58秒5。18年が23秒7→23秒3→12秒0=59秒0。両年の後半ラップが今年と酷似しているのは見逃せない事実だ。平凡なVタイムに隠れてしまったハイレベルラップ。そこをくぐり抜けてきたセンテリュオが女王の座を射止める可能性は、評価(人気)よりもはるかに高いことだけは間違いない。