【エリザベス女王杯】センテリュオ 阪神開催を喜んでいるのはラッキー陣営だけじゃない 

2020年11月10日 11時30分

カメラ目線で歩を進めるセンテリュオ。やってくれそうなムード満々だ

【栗東トレセン発秘話】昨年の覇者ラッキーライラック中心の勢力図になっている第45回エリザベス女王杯(15日=阪神芝内2200メートル)。栗東トレセンで渾身取材を続ける難波田忠雄記者はふと思った。「実力差はそうないはずなのに、人気差があり過ぎやしないか?」。昨年、0秒3差4着に、ひそかに食い込んだセンテリュオの舞台適性、成長力はラッキーライラックにも負けてはいない。一世一代の“煌めき”を見逃すな!!

 昨年のエリザベス女王杯。ラッキーライラックが鮮やかな差し切りを決める中、0秒3差4着に食い下がったのがセンテリュオだった。ちなみに今年、ラッキーライラックに次ぐ人気が予想されるラヴズオンリーユー(3着)とはわずかにクビ差。にもかかわらず、ラッキー、ラヴズに重い印が並んでいるのに対して、センテリュオの印が妙に軽過ぎはしないか? 何かしらのプラスアルファが働けば…。少なくとも「逆転への検証」に時間をかけるに値する存在なのは確かだろう。

 最大のポイントとされているのが舞台変更。今年は例年の京都外回りではなく、阪神内回りで施行される。京都<1001>に対して、阪神<3102>のラッキーライラックに有利に働く? 実はセンテリュオ陣営からも歓喜の声が上がっているのだ。

「同じ舞台の昨年の尼崎Sを使って2着。敗れたといっても相手はメールドグラース(この後、豪GⅠコーフィールドCを含む重賞4連勝)でしたからね。新馬戦を勝ったのは阪神でしたし、今年のマーメイドS2着は前に有利な流れを内からしっかりと追い上げてきたもの。右回りで直線に坂のあるコースは間違いなく合いますよね」(松井助手)

 もちろん、この1年間での成長も見逃せない。ラッキーライラックが大阪杯でGⅠタイトルを上乗せしたことに目が奪われがちだが、センテリュオが前走のオールカマーで撃破したのは昨年のジャパンC2着馬カレンブーケドール。この馬もまたしっかりと地力強化がなされているのだ。

 そもそも、昨年ステップにした新潟記念(7着)ではなく、オールカマーを選択したのも、この大一番を見据えてのものだった。

「今年のエリザベス女王杯が阪神開催だからこそ、コース形態が似た中山からの始動を選びました」と高野調教師。そう、仮想女王杯の舞台を完璧にクリアした上で、初タイトル奪取で地力強化をも証明する、まさに「満点回答」だったというわけだ。

「振り返れば、3歳2月のデビュー当時はヒョロヒョロでカイバ食いも細くて…。稽古も加減しながらだったけど、今はパワーがついて、しっかり走れるようになってきた」と松井助手が目下の充実ぶりを伝えれば、高野調教師も「馬体を見ても5歳秋を迎えて、ようやく本格化してきた印象です」と胸を張る。

 ラッキーライラック、ラヴズオンリーユーにノームコアとGⅠ馬が3頭エントリーしているといっても、アーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクトの「現牝馬3強」は揃って不在となれば…。

「年齢的にもGⅠを狙えるのはここしかないですし、すごくいい状況でレースを迎えられそうですからね。1着を狙える立場にあると思っていますし、チャンスをしっかりとモノにしたい」

 高野調教師が千載一遇の好機と捉えているように、センテリュオの戴冠は十分に現実味のあるシナリオだと思っている。