【みやこS】クリンチャーがついに砂タイトルを奪取 宮本調教師「(ゴールした後)こんなにヘロヘロになった姿を見たのは初めて」

2020年11月09日 11時40分

川田は完璧な騎乗でクリンチャーをダート重賞初Vに導いた

 GⅢみやこS(8日=阪神ダート1800メートル、1着馬に12・6チャンピオンズC優先出走権)は、1番人気のクリンチャー(牡6・宮本)が早め早めの競馬で快勝。ダートに転じ、7戦目にして鮮やかな復活劇を遂げた。18年の京都記念以来、2年9か月ぶりに重賞タイトルを獲得した古豪の今後は? 関係者のコメントとともにレースを振り返る。

 引き揚げてきた鞍上の川田は「まずは無事に結果を出せて何よりです」と淡々と振り返ったが…。パートナーの持ち味を最大限に生かす騎乗がとにかく光った一戦だった。

 道中はベストタッチダウンがハナに立ち、2番手にエアアルマスの並び。ダッシュ自体はもうひとつだったクリンチャーだったが、鞍上が促したことで1角ですでに3番手の位置まで押し上げた。

「たくさんの映像を見てこの馬の特徴を生かそうと思いました」と振り返った川田。「この馬の持久力を生かそうと思いました。返し馬に乗った感じからも、瞬発力ではないなと感じ、こういう競馬を選択しました」。その言葉通り、直線に入っても川田のアクティブ騎乗は止まらない。先頭に立ったエアアルマスに早めに並びかけて競り潰すと、そのまま後続との差を広げ、先頭でゴールを駆け抜けた。

「道中はやる気を持たせながら走らせました。持久力があり辛抱できるので、早め早めに動かして行って、他の馬をバテさせるような競馬をしました」と鞍上が思い描いた通りの勝利。先行勢の人気馬2頭、ベストタッチダウンとエアアルマスにプレッシャーをかけつつ、後続に脚を使わせる完璧騎乗。それまでダートで6戦して②②③②②④着と勝ち切れなかったパートナーを3馬身差で圧勝させたのは、紛れもなく川田の腕によるものだ。

 管理する宮本調教師も「久々に重賞を勝ててうれしい。馬も頑張ってくれたし、(ゴールした後)こんなにヘロヘロになったクリンチャーを見たのは初めてだね。レースはジョッキーに任せていたけど『4角で先頭に立つような競馬を』とお願いし、そのような競馬をしてくれた」と鞍上の好騎乗を勝因に挙げた。

 3歳時はクラシック3冠すべてに出走したタフネスホース。レイデオロ、スワーヴリチャードなど同世代のライバルが次々と引退する中、18年の京都記念以来の重賞Vという復活劇だった。次走は「様子を見ながら」とした同師だが、「優先出走権も取ったし、(チャンピオンズC=中京ダート1800メートル)出走を前向きに考えたい」とも。

 次は昨年の最優秀ダート馬クリソベリルを筆頭に、もう一段も二段も相手は強化されるが、この日のようなしぶとさを生かす競馬ができれば可能性は残されている。そう思わせる快勝劇だった。