【ジャパンカップ】コントレイルVSデアリングタクト「牡牝無敗の3冠馬対決」中村均元JRA調教師の軍配は?

2020年11月06日 14時00分

コントレイル(左)とデアリングダクト

 コントレイルVSデアリングタクト――。ファン待望のドリームマッチがついに実現する。5日にコントレイル(牡3・矢作)が11・29ジャパンカップ(GⅠ、東京芝2400メートル)への出走を決定。すでにJC参戦を表明していたデアリングタクト(牝3・杉山晴)との史上初となる「牡牝無敗の3冠馬対決」が現実となった。果たしてこの夢の対決を制するのは? 本紙では史上最速で伝説となるであろう11・29JCを大予想。東スポ専属競馬評論家の中村均元JRA調教師の軍配は?

 無敗の3冠馬同士が、日本最高峰のジャパンカップという舞台で戦う。これほどまでに胸が躍るドリームマッチが今までにあったでしょうか。デアリングタクトは牝馬ですが、無敗同士の世紀の決戦という意味では、宮本武蔵と佐々木小次郎が刃(やいば)を交えた巌流島の戦いのようです。

 巌流島の決戦での前評判は備前長船長光(びぜんおさふねながみつ)という長い刀を持っていた佐々木小次郎が優勢でした。しかし、宮本武蔵は巌流島に向かう船頭から船をこぐための櫂(かい)をもらい、それを小次郎より長い木刀に仕上げたのです。そして、離れたところから一刀両断! 見事に小次郎を打ち負かしました。

 菊花賞予想ではコントレイルを宮本武蔵に例えましたが、競馬界の巌流島決戦でどちらが武蔵=勝者になるかは…。なかなか判断しづらいところです。単純に比較はできないものですが、例えば1週違いの東京2400メートルで行われたオークス&ダービーの勝ち時計(オークス=2分24秒4、ダービー=2分24秒1)の差はわずか0秒3。デアリングタクトは窮屈になる場面があったことを思えば、タイム差はないに等しい。夏を越して体がひと回り大きくなって見た目に成長したのがデアリングタクトなら、体に大きな変化はなくとも内面に大きな成長があったのがコントレイル。お互いに“パーツ”は違いますが、心身の成長度合いにも差異はありません。

 1992年の天皇賞・春でメジロマックイーンとトウカイテイオーが初対決した時も夢の戦いと話題になりました。当時、メディアが「どっちが強い?」との質問をいろんな調教師に聞いていました。私は岡部幸雄騎手の「地の果てまでも走れそう」という言葉に自信を感じ取りましたし、テイオーが好きだったこともあって「テイオー有利説」を唱えたのですが…。結果はマックイーンの快勝(トウカイテイオーは5着)。あの時は3200メートルの距離適性が明暗を分けました。が、今回はともにGⅠを勝った東京2400メートルが舞台ですから、そういう意味でも五分の戦いでしょう。

 おそらく、ミリ単位の“誤差”が勝敗を分けるのではないでしょうか?

 先週の天皇賞・秋ではクロノジェネシスとフィエールマンがスタート後に挟まる形になって、それが最後まで響きました。もし2頭がスムーズに走って理想としていたであろう、アーモンドアイの真後ろの位置を取れていれば…。もっと差は詰まっていたでしょうし、もしかすると逆転まであったかもしれません。

 JCも枠順やスタート、道中など自分の競馬が、いかにスムーズにできるかどうかが勝敗のカギです。それらのマイナス要素が多ければ多いほど負けに近づく“減点方式”のサバイバルレース――。鞍上の福永君と松山君にとってもお互いの騎手人生を懸ける巌流島決戦になりそうです。