【トレセン発秘話】〝GI抽選対象〟何が正解なのか 国枝調教師の金言

2020年10月21日 19時00分

大原Sを1着でゴールしたレイパパレ

【美浦トレセン発秘話】全休明け(20日)の美浦トレセンで、無敗の3冠牝馬デアリングタクト以上に話題をさらった馬がいるのをご存じだろうか。それは先週の京都・大原S(3勝クラス)を2馬身差で完勝したレイパパレ。デビューから4戦4勝。無傷でオープン入りを果たしたディープインパクト産駒の才女である。

 他陣営の関心を誘ったのは、当然ながらその強さだけが理由ではない。同馬は抽選対象だったGⅠ秋華賞を無念の非当選。結果、再投票した大原Sでうっぷんを晴らした形だが、その勝ちっぷりが鮮やかであればあるほど「抽選」の是非に話題が集まったのだ。

「楽々走って勝ち時計が1分46秒3でしょ? 残り1ハロンが14秒3でも秋華賞(2分00秒6)と同タイムだからね。実際、GⅠでどんな競馬をしたか見ものだったとは思うよ。ファンからすれば、歴史的偉業がかかる舞台でこそ“無敗対決”を見たかったろうけどね」

 こう話したのは今週の菊花賞(日曜=25日、京都芝外3000メートル)に担当馬ブラックホールを送り出す三尾一之助手。一方で菊花賞に登録した馬3頭のうち、2頭が抽選対象となる国枝栄調教師は、自身の経験を踏まえて次のように語った。

「問題の本質は同賞金なら横一線の抽選が正解なのかってことだね。14年の朝日杯FSを勝ったダノンプラチナは象徴的。GⅠで1番人気になるほどの馬の運命さえガラガラポンで決めようってんだから、主催者の姿勢としてはいかがなものか」

 印象深いのは15年の桜花賞を抽選対象(3分の2)の身で非当選となったミッキークイーンだろう。同馬は再投票した忘れな草賞で賞金を上積みし、のちにオークス→秋華賞を連勝した“幻の3冠馬”。出走すれば間違いなく上位人気に推される素材さえ排除してしまう現システムは、ブラッドスポーツや興行的側面から健全とは言えず、これを“あしき平等主義”でないと誰が言い切れよう。

「JRAには優秀なハンデキャッパーがいるんだから、頂点を決めるGⅠくらいはレーティングによる選出があっていいのでは。それで除外なら誰も文句は言えないし、おそらく馬券を買うファンのニーズにも応えられるはず」(同師)

 JRAが実力を認めるがゆえ、優先権が生じるのが現行のハンデ戦。その理屈をGⅠに当てはめるのは決して暴論でないはずだが…。

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