【秋華賞】柏木「途中からデアリングをマークした大野騎手はファインプレー」

2020年10月19日 12時01分

デアリングタクトの背で無敗の3冠制覇をアピールする松山。観戦したファンには歴史的なシーンとなった

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」・秋華賞】

 渡辺 無敗で牝馬3冠達成の快挙。まさに歴史が動いた一戦だった。この偉業を見ることができたことで良しとするしかないかな(苦笑い)。

 柏木 松山クンは非常に落ち着いて乗ってましたね。1コーナーで少し置かれましたが、全く慌ててなかったです。外枠だったこと、先行馬に厳しい流れになったこと、もろもろ恵まれた側面があったとはいえ、3冠の中で最も危なげのない勝利に映りました。

 渡辺 本当だな。いまや「ぶっつけ本番」はトレンドだが、ミヤマザクラが20キロ増、ウインマリリンが12キロ増、そしてデアリングタクトが14キロ増。結果はというと、ミヤマとマリリンは着外に終わってデアリングが1着。陣営の調整能力もさることながら馬自身の精神力の強さも素晴らしい。

 柏木 これで3年連続でオークスから直行した馬が勝ちましたね。いまや牝馬は極力、レースを使わないほうがいいのかもしれません。

 渡辺 あれほどローズSで強い競馬をしたリアアメリアは13着に惨敗。そうかもしれんな。

 柏木 前走で走り過ぎたのでしょうか。パドックではやけに大人びた雰囲気で逆に嫌な感じがしたんですが…。スタートはひと息なのに先行争いに巻き込まれてしまっては仕方ありませんね。

 渡辺 レースの前後半5ハロンは59秒4―61秒2。稍重馬場を考慮すればやはり前半は速かった。中団待機のデアリングの真横にマジックキャッスルがいて、序盤はかなり後方にいたソフトフルートとパラスアテナが3着争いをした。

 柏木 マジックの大野クンは途中からデアリングをマークして運びましたね。あれはファインプレーでしょう。

 渡辺 国枝調教師も戦前は「タメれば切れる」と豪語していたが、まさにその通りの結果になった。3着に突っ込んできたソフトフルートもディープインパクト産駒らしい切れ味を持ってるな。

 柏木 ローズSとは多少の馬場差がありましたけど、実は前走(夕月特別)は素晴らしい好記録でした。だから今回の走りは決してフロックではないと思います。秋華賞の1つ前の10R大原Sで、除外されたレイパパレが圧勝した経緯も踏まえると、春2冠不出走馬の、キャリアの浅い馬の台頭が始まった、という印象も受けました。

 渡辺 ところでデアリングタクトはこれから古馬と戦うことになるんだが、柏木君はどう思う?

 柏木 これまで無理して使ってませんからね。今回も少しチャカチャカするしぐさを見せていましたし、気性面の成長はかなり見込めるのではないでしょうか。決して今が完成形ではありません。

 渡辺 それにしても次の菊花賞ウイークはさらにヒートアップしてくるんじゃないかな。楽しみな週末になりそうだ。

 柏木 今週の流れが続きそうな感じですね。穴党の出番はないかもしれません(苦笑い)。