【秋華賞・デアリングタクト偉業への戦略】3冠馬誕生を阻んできた直線328メートルを味方にできるか

2020年10月13日 15時00分

杉山晴調教師(右)はデアリングタクトの歩様をじっくりとチェックした

【〝闘券〟難波田記者が迫る・デアリングタクト偉業への戦略②】無敗の牝馬3冠奪取へ向け、デアリングタクトが避けては通れない課題がある。京都芝内回り2000メートルへの対応だ。

 多くの名牝が敗れた秋華賞。同じく牝馬3冠がかかった2009年ブエナビスタが、内でゴチャつく窮地から4角手前で外に斜行したとして、2位入線→3着降着になったシーンを鮮明に覚えている方も多いことだろう。能力の絶対値がそのまま反映されにくい舞台設定。それが京都芝内回り2000メートルなのである。

 Aコース使用時の直線距離は328メートル。仮にペースが緩んでしまうと、逃げ、先行馬の粘り込みの脅威は一気に増す。まして春の牝馬2冠は2、3着がいずれもこのケースだっただけに…。

 オークスで差し届かず4着止まりだったリアアメリアは、秋初戦のローズSでは一転、番手追走から鮮やかに抜け出す競馬を披露した。「こういう走りをしたかった。2冠馬に挑戦できる器ですから」と川田は本番を見据えた競馬を完璧に遂行できたことで手応えをつかんでいる。

 対してデアリングタクトは前哨戦をパスしたことで、実戦の中で試してみたいことが試せなかったのは痛手ともできるのだが…。12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイと、近年の牝馬3冠馬は展開不問の豪脚で、自ら窮地を打開してきた。

 舞台設定のハードルが最も高いからこそ〝最強牝馬〟を証明するには絶好の舞台と言えるのかもしれない。