藤田菜七子の評価がうなぎ上り 目を引く「技術」と「判断力」

2020年10月12日 11時30分

藤田菜七子

 菜七子の勢いが止まらない! 秋の新潟開催(10、11日)に参戦した藤田菜七子(23=美浦・根本厩舎)は自己最多タイとなる1節5勝をマークした。騎手として関係者の評価もうなぎ上りの菜七子は一流の輝きと存在感を放ちつつある。

 11日に新潟競馬場で騎乗した菜七子は2Rノアヴィグラス、6Rセピアノーツ、7Rローズベリルで一日3勝の固め打ち。今年JRA30勝(通算120勝)とし、同競馬場で2勝した10日に続いて2日間で計5勝。昨年の10月5、6日(4勝+1勝)以来の最多タイ(土日複数勝利は初)となった。

 当時も秋の新潟開幕週で、新潟での勝ち星も計50勝(昨年は年間の新潟リーディングを獲得)。次位の福島(23勝)にダブルスコアの好相性となっている。

 先週の7日はコパノキッキングとのコンビで連覇を狙った東京盃(大井)で3着と敗れたが、翌8日には競馬学校騎手課程の模擬レースに参戦するなど、話題の多い菜七子。10日に2月末以来となったJRAの有観客競馬で勝利した際には「本当にうれしいし、まだ一部しか入れませんけど、前みたいにたくさんの方が入場できるようになってくれたら」と話した。

 また、この2日間でとりわけ目を引いたのがその技術と判断力。セピアノーツで制した6R(2歳未勝利)は、外枠が断然有利とされる芝直線1000メートルの競馬で、真ん中やや内寄りの⑧番枠からのスタートだったが、好ダッシュから果敢に外ラチ沿いを確保し、そのまま押し切った。菜七子は「ゲートをしっかり出てくれて、外ラチにつけられたのが良かった。一本調子なところがあるので今後はタメが利くようになればもっと良くなります」。馬の特徴の把握や先の見通しを含めて冷静に分析している。

 同馬を管理する青木調教師は「ダート千八を使うようなゴリゴリ(=パワーのいる)の馬ではなくて、芝でスーッと行けるような、スピードに任せた競馬をする馬が彼女には合っている。斤量(2キロ減)面を含めてですね。乗せる我々の側も(菜七子の)持ち味を生かせる馬を選んで騎乗を依頼しているのがうまくいっている」と話した。“菜七子に合う馬”を厩舎サイドでも選別し、奏功しているわけだ。

 JRA女性騎手として数々の記録を更新中の菜七子にとって、新潟、福島と続く秋のローカル開催はまさしく主戦場。ファンにはぜひ、指定席券の抽選を突破して“本気の菜七子”をナマ観戦していただきたい。