【毎日王冠】人気のサリオスに立ちはだかる老獪ダイワキャグニーの壁

2020年10月09日 17時10分

シャワーを浴びてご機嫌なダイワキャグニー

【毎日王冠(日曜=11日、東京芝1800メートル=1着馬に天皇賞・秋優先出走権)新バージョンアップ作戦】東京、京都の主場開催スタートで競馬の秋も一気に深まろう。東京開幕週メインはGⅠの前哨戦として大きな位置を占めるGⅡ毎日王冠。春の牡馬クラシックで連続2着のサリオスが人気を集める中、新VU作戦の明石尚典記者は◎ダイワキャグニーで勝負。百戦錬磨の東京中距離巧者が強力3歳勢の分厚い壁になりそうだ。

 視線(人気)を一身に集めるのがサリオスであることは衆目の一致するところ。連勝街道を突き進むコントレイルに後塵を拝したとはいえ、皐月賞↓ダービーで連続2着。3着にはそれぞれ3馬身1/2差、1馬身3/4差と大きく水をあけての銀メダルだ。“ディープインパクトの最高傑作”の呼び声高いライバルさえいなければ無敗の2冠を達成していた――。そんな見方にもそれなりの説得力がある。

 ただひとつ気になるのは、春2冠を含めたGⅠ3戦で選択した戦法。通過順2→3→3で自身前後3ハロン34秒4→35秒4の前傾ラップを刻んだ朝日杯FSに対して、5→6→4の皐月賞、10→10→11のダービーはいかにも折り合い重視。手綱から伝わってくる感触はマイルがベスト。そんな見方にもまた、それなりの説得力があると言えよう。

 押しも押されもせぬ3歳世代トップといえども、ベストより1ハロン長い9ハロンなら付け入る隙あり、とみて◎にはダイワキャグニーを指名。前走のエプソムCでようやく重賞ウイナーの仲間入りを果たした遅咲きだが、東京8~10ハロンのオープン特別(リステッド含む)で5勝。いままでタイトルに縁がなかったのが不思議なほどの実力派の存在はやはり無視できない。

 18、19年連覇のメイSが2ハロン23秒台後半~24秒台の緩ラップを複数回刻んで、ともにラスト1ハロン11秒台→東京9ハロン1分45秒台でのフィニッシュ。「良馬場の東京のスローペース」という三題噺が揃ってこそのキャラが数字からも透けて見えていたが、エプソムCは不良馬場ながらも24秒台はわずかに1回。23秒7→23秒5→24秒0→23秒7と一切緩むところのないハイレベルラップの中、道中3→2番手で競馬を進めている。年齢を重ねて瞬発力には陰りが見られるものの、スピード持続力にはむしろ磨きがかかってきた。タイトル奪取の大きな要因の一つが、この“キャラ変”にあることは間違いないだろう。

 幸い?にして台風の影響で週末はあいにくの雨模様。開幕週の東京といえども、パンパンの良馬場でのタイムアタックは望み薄の情勢だ。爆発的な瞬発力でKOを狙うサリオスを、キャリアに裏打ちされた老かいなテクニックで翻弄するダイワキャグニー。文字通りの泥仕合に持ち込んで、百戦錬磨のベテランが“判定勝ち”を収める。そんな番狂わせをイメージできる舞台が着々と整いつつある。