【京都大賞典】現実味を帯びてくるキセキ復活V「宝塚記念の走りがいいきっかけになれば」

2020年10月07日 17時20分

3年ぶりの勝利を目指すキセキ。完全復活の時はもう間近だ

【京都大賞典(日曜=11日、京都芝外2400メートル=1着馬に天皇賞・秋優先出走権)栗東トレセン発秘話】芝の状態を示す新たな指標として、JRAは先月11日から「クッション値」を公表している。クッション値の数値が高ければ馬場が硬く、逆に低ければ軟らかいことを示す。4回中山開催を例に取ると、クッション値はおおむね9~10台と標準からやや硬めで推移。そういう馬場なら時計も出そうなものだが、実際は「今の中山は例年以上に時計がかかる」との声が多かったのはなぜなのか?

「時計がかかるといっても、その理由はひとつじゃないからな」とは先週のスプリンターズSにモズスーパーフレアを出走させた音無調教師だ。

「馬場が硬いのに、時計がかかるということは、芝丈の長さが関係しているんじゃないかな。雨の影響を受けた今年の高松宮記念と、今の中山を一緒にはできない」

 なるほど、馬場読みひとつ取っても、先入観にとらわれないことが大事なようだ。

 先入観といえば、GⅡ京都大賞典に出走するキセキの前走にも驚かされた。古馬になってからは前々で運ぶイメージが強かった馬だが、宝塚記念で鞍上・武豊が選択したのは、それとは真逆の競馬だったからだ。

「ユタカさまさまですよね。(脚を)ためにくい馬だし、跳びの大きな馬でもある。ああいうことができる人は、そうはいないでしょう」と角居調教師。鮮やかな名手の手綱に敬意を表しつつ、「あの一戦がいいキッカケになれば」と期待を込める。

 レースで見せる難しさは「能力が高いがゆえのもの」。前走で覚えた我慢が実を結び、再び歯車がしっかりかみ合えば…。2017年菊花賞以来となる復活Vが現実味を帯びてくる。

 今回は武豊の渡仏(帰国後2週間は待機要請)により、鞍上は乗り替わりになるが、「早めに帰厩させてコツコツとやってきましたから。(鞍上が替わっても)いい勝負ができると思います」。昨年の日本ダービーをロジャーバローズで制した浜中=角居厩舎のタッグがどんな競馬を見せるのかにも注目だ。

 くしくも今週末は競馬ファンが待ちに待った有観客競馬が再開される、記念すべきタイミング。

「自分のやるべきことは変わりませんが、ジョッキーやスタッフはファンの方々の前で結果を出すことで誇らしさを感じ、励みにもなるのではないでしょうか」(角居調教師)

 キセキには3年ぶりの復活劇をGⅠ勝ちした京都で決めてもらい、スタンドを大いに盛り上げてほしい。