GI3勝目・グランアレグリアはカナロア級の強さ ルメール絶賛!

2020年10月05日 11時39分

直線で豪快に14頭を差し切ったグランアレグリア。異次元の強さだった

 次元が違った――。4日、中山競馬場で行われた第54回スプリンターズS(芝外1200メートル)は、1番人気のグランアレグリア(牝4・藤沢和)が後方から直線一気で圧勝。自身3勝目となるGⅠタイトルは、ディープインパクト産駒にとって初のスプリントGⅠ制覇となった。鞍上のルメールはJRA重賞100勝のメモリアル。秋のGⅠ開幕戦は、次週からの有観客競馬を盛り上げるのにふさわしいインパクトを残した。

 モズスーパーフレア(10着)とビアンフェ(16着)が互いに譲らなかったハナ争いは、3ハロン通過32秒8のハイペース。グランアレグリアにとって初の6ハロン戦だった2走前のGⅠ高松宮記念(2着)が同34秒2(重)。アーモンドアイを完膚なきまでに打ちのめした前走のGⅠ安田記念(良)も同じ数字で、それだけ勝ち馬にとっては未知の、とてつもなく速い流れだったことになる。

 さらにスタートで後手に回った同馬は道中後ろから2番手。終始、鞍上が手綱を押して促しながらの追走は高松宮記念以上に余裕がなかった。「普通ならこの位置で勝つのは無理だけど、今日のグランアレグリアの強さは素晴らしかった。休み明けでスプリント(戦)のリズムを見つけるのが難しくて、前半はスピードを出してくれなかった。3~4角では(勝つのは)無理と思って(同馬の)次のレースのことを考えたくらいだけど、直線で手前を替えてからがすごい脚。前も早めに止まったので勝てると思った」とルメール。「若い時はもっとスピードが勝っていたけど、大人になって乗りやすくなった。マイルがベストではあるけど、ロードカナロアのように(距離は)オールマイティー」と続けた。

 安田記念ではアーモンドアイの背から誰よりもその強さを痛感させられた鞍上が、今度は2着ダノンスマッシュにスプリント戦では決定的な2馬身差の圧勝。今風に例えるなら自身の悔しさを、違う馬で“倍返し”の喜びに変えた。

 一方で同馬は安田記念から12キロの馬体増。前日(3日)の美浦坂路で4ハロン54・5秒をマークした異例の調整も、裏を返せば“馬体重が絞れない”から? トレセン内で重め残りでは、のムードが漂っていたのも事実だ。

「安田記念のころから落ち着きが出て、カイバ食いが良くなって馬が大きくなったし、前ほど気合が入らずに穏やかになったから」と藤沢和調教師は体重増に触れた上で「(芝7ハロンの)阪神C(1着)でもしっかり走っていたように短い距離ではいい脚を使う。中山は初めてだったけど“中山向き”の噂も出ていたようだし、国枝先生の馬(アーモンドアイ)のように、たくさんGⅠを勝てるように後を追いかけていきたい」と笑った。体重増が精神と肉体両面の成長によるたまものだったことを、自身の爆発的な末脚で証明した格好だ。

 この後はGⅠマイルCS(11月22日=阪神芝外1600メートル)が視野に入るが、年内3つ目のGⅠタイトル奪取となれば、最優秀短距離馬はもちろん、アーモンドアイとの最優秀4歳以上牝馬、あるいは年度代表馬の座も見えてくる。いずれにせよ距離カテゴリーを広げて改めて存在感を示したグランアレグリアにとって、前途洋々の秋シーズンが幕を開けた。