【スプリンターズS】充実レッドアンシェルか勝負根性のダイアトニックか

2020年09月30日 18時00分

カイバをペロリと平らげるレッドアンシェル。目下の充実ぶりが伝わってくる

【スプリンターズS(日曜=10月4日、中山芝外1200メートル)東西記者徹底討論】まさかの降着劇で幕を閉じた高松宮記念から半年。真の電撃王を決めるべく、第54回スプリンターズSが開催される。混戦模様の短距離界を制圧し、頂点に立つのは果たして!?「両刀」山口&「馼王」西谷が鋭く切り込んだ。

 山口心平(東京スポーツ):いよいよ秋のGⅠシリーズの開幕だな。

 西谷哲生(大阪スポーツ):ええ、今週末はスプリンターズSだけでなく、海の向こうでは凱旋門賞も行われます。競馬で盛り上がりっ放しの1週間になりそうですね。

 山口:凱旋門賞か。日本馬ディアドラ、武豊騎乗のジャパンにも注目したいが、やはり主役は女王エネイブルだろうな。

 西谷:間違いないでしょうね。一方、スプリンターズSはいまだ勢力図が固まっていない感じです。例年のような速い決着になりそうもない中山の馬場状態もどう影響するのか…。

 山口:そのあたりも含めて悩ましいところではあるが、オレは◎レッドアンシェル。今夏のレースで見た目に最もインパクトのあったこの馬から勝負したい。

 西谷:確かに前走の北九州記念は強かったですが、レースのラスト1ハロンが12秒5と落ち込んだ。展開が向いた面は否定できません。

 山口:そうはいってもそのラスト1ハロンで5馬身ほどあったモズスーパーフレアを差し切り、さらにゴール前は流す余裕すらあったんだから、まさに圧巻の内容。初ブリンカーの効果も大きかったということだろう。なんだかんだでキミも3番手には評価してるじゃん。

 西谷:輸送減りしやすい馬が前走はプラス体重で出られたのが大きいんですよ。調整法を工夫したり、滞在馬房の敷料をチップからワラに替えるなどの対策もうまくいったようです。

 山口:デビュー当時から馬体が40キロ以上増えて充実ムード。ローカルでの重賞Vとはいえ、ハイラップ&渋馬場のタフな条件だっただけにGⅠにも生きそう。昨年は脚部不安で秋シーズンを全休。そのうっぷんを晴らす時が来たな。

 西谷:うっぷん晴らしといえば◎ダイアトニックでしょう。高松宮記念(3着)は直線で突き抜けようかというところで寄られる痛恨の不利。それでも、もう一度伸びてきた勝負根性は高く評価できます。あのレース直後から、秋はこの馬と決めていた。初志貫徹で主役に抜てきです。

 山口:オレも相手筆頭に評価した。以前は一度使うとガタッときていた印象だったが、昨秋くらいから体質が強化され、本格化してきた感じだよな。

 西谷:それでも、函館スプリントS(1着)時に取材した担当の岩本助手は「まだ伸びシロがある。これからの馬ですよ」と。一体どこまで強くなるのか、楽しみで仕方ありません。

 山口:前走の不可解な15着大敗はどうみる?

 西谷:キーンランドCは外枠の馬が掲示板を独占。馬場や最内枠がかみ合わなかった印象ですし、夏があまり得意ではないロードカナロア産駒には例年以上の暑さもこたえたのかも。いずれにせよ、あれが力負けでないことは確かです。

 山口:能力最上位のグランアレグリアは3番手にとどめた。2着に好走した高松宮記念は重馬場とはいえ、前半3ハロンが34秒2止まり。今度はさすがにそこまで落ち着くことはないからな。スピード負けするとまでは考えにくいにせよ、前半のポジショニングがカギになるのは確かだろうな。

 西谷:もうひとつ不安要素を挙げるなら、ディープインパクト産駒は中山芝1200メートルと相性が悪い。重賞はおろか、オープン特別さえ一頭も勝てていないとなると…。それなら当舞台〈3・2・0・0〉のモズスーパーフレアを上位に扱うべきでしょう。

 山口:この馬はおそらく時計が速ければ速いほど、ハイラップでも惰性で押し切れる。今の時計の出ない馬場はプラスではないだろうな。

 西谷:いやいや、牡馬顔負けの筋肉質な馬体ですし、実際に重馬場の高松宮記念を勝っているんですから問題ないでしょう。

 山口:セントウルS快勝のダノンスマッシュは本番ではいつもパンチ不足。GⅠでは足りないというよりは、一戦燃焼型なのかな。押さえまでだよな~。

 西谷:ミスターメロディは左回りがベストとはいえ、昨年も0秒3差4着と大きくは負けていません。右回りでも軽視は禁物です。

 山口:例年より時計のかかる馬場を意識したうえでマークしておきたいのはアウィルアウェイ、エイティーンガールの2頭。このあたりが絡めば配当面の妙味も出そうだな。

 西谷:当レース3連覇を狙うゴドルフィンのライトオンキューも、適度に時計がかかれば侮れないと思いますよ。