【GⅠ・スプリンターズS】グランアレグリアは1200メートルに問題なし  藤沢和調教師「もうひとつタイトルを取りたい」

2020年09月28日 11時30分

グランアレグリア

 コントレイルの神戸新聞杯圧勝で10・25菊花賞での無敗の3冠制覇の話題が沸騰する中、今週末はいよいよ秋のGⅠがスタートする。その開幕戦は第54回スプリンターズS(10月4日=中山芝外1200メートル)で、堂々の主役を務めるのがグランアレグリア(牝4・藤沢和雄厩舎)だ。前走のGⅠ安田記念では現役最強馬アーモンドアイを撃破。今もっとも旬のキレキレ娘が、3つ目のGⅠタイトル奪取とともに短距離界完全制圧に挑む。

 新型コロナウイルス禍の無観客開催においても馬券売り上げは連日、前年比100%超が多く、ファンに支持されているJRA。それだけに今秋のGⅠ初戦となるスプリンターズSへの注目度は高まるばかりで、競馬ファンなら誰しもが予想を的中させて懐を温めたいところだ。

 その重要なオープニングレースでV最有力候補なのがグランアレグリア。管理する藤沢和調教師は、美浦トレセンで行われた自身のJRA1500勝を記念した石碑の除幕式(23日)で、再来年2月末の調教師引退(70歳定年制のため)を念頭に「もう少し時間があるので頑張ります」と宣言した。石碑には“一勝より一生”の文字が刻まれている。

 さて、安田記念でアーモンドアイに完勝し、改めて短距離路線における存在感とポテンシャルの高さを示したグランアレグリアにとって、1200メートルのGⅠは高松宮記念ではモズスーパーフレアのハナ差2着(1位入線はクリノガウディー=4着降着)と苦汁をなめた距離。そのリベンジがかかるが、当時は自身にとって初の1200メートル戦。3歳時の桜花賞勝ちなど全5勝のうち4勝をマイルで挙げている同馬にとっては、むしろ距離克服を評価する声が多いのも確かだ。

 藤沢和調教師は確信を持ってこう話す。

「(重馬場の高松宮記念は)馬場が悪くて外を回ったけど、普通の馬場なら1200メートルは問題ない。器用な馬だし、ゴール前の脚は良かったからね。阪神(3走前の芝7ハロン・阪神C=1着)もいい競馬で、短いところは強い。スピードと切れ味がある。安田記念の時も坂を上がる時の脚がすごく良かった。もうひとつタイトルを取りたいね」

 距離を心配材料とは考えていない。陣営をさらに強気にする事象もある。夏場をじっくりと休養に充てた効果か、馬体の成長が顕著。1週前の計量では508キロと前走比16キロ増の馬体重だった。

「大きくなっている。3歳の春まではカイバを食べずに苦労したんだけど、お姉さんになってずいぶんと気持ちも穏やかになった。充実? そういう感じだ」と同師は納得の表情を浮かべた。

 カイバや気性を考慮して3歳春の桜花賞は前年暮れの朝日杯FS(3着)からぶっつけでの参戦だった。この秋は肉体的にも精神的にもひと回り成長して“完成期”とも言える走りを見せてくれるのは間違いない。

「今までも回数を使ってこなかった馬だけど、今回は順調に秋初戦を迎えられる。新馬戦(1着)も勝っているように久々はむしろ得意。ここからいいスタートが切れますよ」と名伯楽の言葉は弾む。同馬はもう安田記念時のはるか上のステージにいるのだ。

 マイルGⅠを勝った次走で、6ハロンGⅠを快勝したのはタイキシャトルだった(97年のマイルCS→スプリンターズSと連勝)。同厩舎のレジェンドのように、さらなる進軍を開始するグランアレグリア。スプリンターズSは今秋の短距離路線を無双する、その序章にすぎないのかもしれない。