【オールカマー】激戦Vのセンテリュオ 高野調教師「3コーナーでこれは〝面白いな〟と思いました」

2020年09月28日 11時15分

本格化ムードのセンテリュオ(手前)

 GⅡオールカマー(27日=中山芝外2200メートル)は、戸崎圭騎乗の5番人気センテリュオ(牝5・高野)が優勝。天皇賞・春2勝馬フィエールマン不在の低調な組み合わせながら、牡馬相手のGⅡで重賞初制覇はフロックとは考えにくい。本格化ムード漂う5歳牝馬の今後を占う。

 出走馬9頭の戦歴を総括すると、GⅡ(4勝)、GⅢ(5勝)には手が届いてもGⅠでは〈0・3・3・16〉と善戦止まり。出走していれば1番人気確実だったGⅠ3勝馬フィエールマンが熱発のため回避したことで伝統のGⅡの重みはグンと下がってしまった。

 勝ち馬が天皇賞・秋(11月1日=東京芝2000メートル)やジャパンカップ(11月29日=東京芝2400メートル)へのGⅠ参戦をぶち上げたところで〝打倒アーモンドアイ〟に現実味は帯びてこないのだが…。身の丈に合った路線を歩む牝馬にとっては十分に価値ある初タイトルとなった。

「所属クラブの規定で引退(6歳春)の線引きはされていますから。何とかその前にブラックタイプ(血統表内の太字ゴシック表記)をつけてあげようと…。直線は興奮しましたし、本当にうれしいです」

 管理する高野調教師は愛馬の重賞初制覇に歓喜の声を上げた。この勝利によって繁殖牝馬としての価値は格段にアップ。そして競走馬としてのハイライトになるGⅠエリザベス女王杯(11月15日=阪神芝内2200メートル)に堂々、有力馬として参戦する資格も得たのだから勝利の意味の大きさは計り知れない。もちろんテン乗りながら後方待機策から末脚をフルに引き出した戸崎圭の手綱さばきも注目に値する。

「道中はリズム良く運べましたし、手応えも十分でした。ペース(5ハロン通過64秒3)は遅く感じましたけど、いいポジションでうまく我慢できたし、ミッキースワローが動いた時について行くことができました」とは戸崎圭。先に抜け出したカレンブーケドールを外から一完歩ずつ追い詰め、ハナ差かわして先頭でゴールを駆け抜けた。中途半端に動くことはせず、レースが動いてからの〝後出し〟がまさにズバッとはまった形だ。

「ペースが遅かったし、これは〝ロングスパート戦〟になると。スパートのタイミングを待てる位置にいたので3コーナーでこれは〝面白いな〟と思って見ていました」とトレーナーも名手の位置取りを絶賛した。もちろん「輸送もあって馬体重の増減はありませんでしたが、中間の筋肉の張りはこれまでにないもの。馬体を以前より大きく見せている」とフィジカル面の充実ぶりが今回の快走を下支えしている。

「これで昨年のエリザベス女王杯(4着)がフロックでないことが証明できました。やはりこれくらいの距離が合ってますし、あとは本番に向けてさらにいい状態にもっていきたい」と同師。

 全兄に豪GⅠ2勝トーセンスターダムがいる良血馬が、より大きな勲章を積み上げて生まれ故郷に帰る可能性も小さくはなさそうだ。