【新潟記念】〝馬匠〟渡辺「3歳馬ワーケアの評価を落とすのは、まだ先でいい」

2020年09月07日 11時35分

新潟記念を制したブラヴァス

 【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」・新潟記念】

 柏木 直線を見ている限りは面白い競馬になりましたけど、前5ハロン61秒9→後58秒0で前後半差は実に3秒9。考えていたよりも、ずっとスローになりましたね。

 渡辺 上がり3ハロンは10秒8→10秒7→11秒6で、全馬が馬場の四~五分よりも外を走った。最後の500メートルだけのパトロールを見たら〝直千〟と間違えるような競馬になった。

 柏木 上がり33秒を切ったのは6頭で、サトノガーネットにいたっては31秒台。1番人気ワーケアにとって、こういう競馬は向かなかったんでしょうか。

 渡辺 俺の見立てでは能力を発揮して負けたというよりは、能力を十分に発揮できる状態にまでなっていなかった印象が強い。この馬の評価を落とすのは、まだ先でいいと思う。

 柏木 大体、ハーツクライ産駒はデビュー当初からポンポンと出世するのが珍しい。ただ、流れが違っていれば…とも思えるし、本格化してくるのは、まだまだ先でしょう。加えて、僕が気になるのは3歳勢が全く結果を出せていない点。3歳レベルの判断が今年の後半戦のカギになるかもしれません。

 渡辺 で、重賞初制覇を果たしたブラヴァスに目を向けると、誰もが思う通りに母の血がようやく開花してきた。ただ、ジナンボーとの着差を見ると、格段に飛躍を果たすほどの上昇度とは思えない。

 柏木 福永ジョッキーの話からすると、まだまだ成長段階ということ。この一戦だけでは渡辺さんの言う通りかもしれませんが、この一族の成長度のすごさからすると、まだ良化の余地を残していると思います。ジナンボーはこぢんまり映って体調がいいとは思えませんでしたが、ロスのないコース取りを思い切って選択したジョッキーのファインプレーじゃないですか。

 渡辺 うん、この日は多数が内めを避けたためか、パトロールを見ると向正面のラチ沿いはそれほど悪くなかった感じがした。奇策が吉と出た結果だと思う。

 柏木 惜しかったのはサンレイポケット。この馬の持ち味が生きる舞台でしたが、重賞通用の力を示した戦いぶりです。

 渡辺 その点に異論はないんだけど、逆にもう少し馬場状態が良かったほうが切れ味が生きた感じもするんだよな。いずれにしても今後が楽しみな馬になってきた。

 柏木 ほかではピースワンパラディをどう見ますか。

 渡辺 俺は◎に推したんだけど、馬群でモマれて消化不良の競馬。精神面、あるいは体幹に現状弱さが残る。これも本格化はもう少し先かなと感じた。実際、トータル時計から秋のGⅠ戦に即影響するようなレースレベルではなかったと思う。

 柏木 GⅠ戦を視野に入れるとそうかもしれませんが、4~5歳馬が上位を独占。僕は秋のGⅡ、GⅢにはつながるレースだったと思います。