【GⅡ札幌記念】〝秋GIも牝馬〟ノームコアが文句なしの快勝

2020年08月24日 12時12分

ファンに向けて完璧な勝利をアピールする横山典とノームコア

 GⅠ3勝馬ラッキーライラックの参戦で盛り上がりを見せた23日のGⅡ札幌記念(札幌芝2000メートル=サマー2000シリーズ第4戦)は、横山典騎乗の2番人気ノームコア(牝5・萩原)が直線鮮やかに伸びて快勝。昨年の富士Sに続く重賞4勝目を飾った。強い牝馬がまた一頭…。その勝利の価値と今後の可能性を探った。

 2014年のハープスター以来、札幌記念で6年ぶりに牝馬が優勝した。主役となったのは7冠馬アーモンドアイが代表する〝強い5歳牝馬世代〟。今回1番人気に推されたラッキーライラックもその一頭だったが、それを撃破したのも〝世代の一角〟ノームコアだった。

 19年のヴィクトリアマイルでGⅠホースとなってからは、今年の高松宮記念(15着)を除けばマイル中心の競走生活。2000メートル参戦は19年愛知杯2着以来で、今回の焦点は距離延長への対応だった。

 しかし、何の問題もなかった。レースは完勝。V時計1分59秒4も優秀だが、ポイントは後半5ハロン=59秒1という高速ラップでのしのぎ合いを制したことだ。この数字は札幌記念がGⅡに昇格した97年以降、01年(勝ち馬エアエミネム)、06年(同アドマイヤムーン)と並んで最速タイ。スピードの持続力が問われる競馬で、より長くいい脚を使った証しでもある。振り返れば今回と同距離だった3歳時のGⅢ紫苑Sでは、好位から上がり最速33秒6で3馬身突き抜けた馬。「マイラー」という単純なカテゴリーに収まる馬ではないのだ。

 手綱を取った横山典は「いい返し馬だった。無観客のおかげか、馬も落ち着いていて調子の良さが伝わってきた。考えたプラン通りの競馬ができた」。ケチのつけようのない仕上がりとレース運びに納得の表情を見せた。それは管理する萩原調教師も同じ。「強い競馬だった」と愛馬をねぎらった。

 今年前半期の芝での古馬GⅠは、天皇賞・春を除く5戦中4戦を牝馬が制した。ここにきての古馬戦線での牝馬優位の流れは加速度的な感じもする。エアグルーヴ、テイエムオーシャン、ファインモーション、ヘヴンリーロマンス、フサイチパンドラ…札幌記念の勝ち馬には名牝が名を連ねているが、また一頭、大きな可能性を秘めた〝女傑〟が誕生したのかもしれない。注目の次走はオーナーサイドと相談してからになるそうだが、どこに出走しても主役候補は間違いなし。秋のGⅠ戦線に大きな花を添えることになりそうだ。