【GⅢ関屋記念】復活Vサトノアーサー ワンターンの千六、千八なら大舞台へ返り咲く

2020年08月17日 12時00分

4角17番手から怒涛の追い込みで勝利をもぎ取った戸崎圭=サトノアーサー

 

 16日、新潟競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第3戦(9・13京成杯AHまで全4戦)のGⅢ関屋記念(芝外1600メートル)は、4番人気のサトノアーサー(牡6・池江)が直線一気の差し切り勝ち。18年のGⅢエプソムC以来となる2年ぶりの勝利で重賞2勝目を挙げた。果たして良血馬が復活した要因はどこにあったのか?

 良馬場ながら勝ち時計の1分33秒1は昨年の1分32秒1、一昨年の同31秒6(いずれも良)と比べても明らかなように過去10年で最も遅い数字。連続開催の2開催目に入った新潟の馬場は、かつての新潟=高速馬場のイメージを完全に覆す傾向にある。以前ならとりわけ芝の外回りではスローペースで極端に上がりの速い競馬が特徴的だったのが、今夏の場合は前半はわりと流れて後半の時計を要す…必然的に外差しも多く決まっている。

 この時流に最大限に乗ったのが勝ち馬サトノアーサーだろうか。スタートがひと息だったこともあり、道中は後ろから2番手。直線は馬群を割ってグイグイと伸び、メンバー唯一の33秒台の上がりを駆使(33秒7=次位と0秒5差)してのごぼう抜き。逃げたトロワゼトワルが2着に粘ったことを考えれば、展開だけに助けられた結果でもない。

「プランとして後ろからの競馬になったのは誤算だった。ただ、切れる脚は持っていると思っていたし、直線の長いコースは良かったですね。ずっと人気を背負って勝てない競馬が続いていたように、乗り難しい面がある中でよく勝ってくれた」と戸崎圭。

 前走のGⅢエプソムCまで4戦連続で1番人気ながら③②③⑥着と勝てない競馬が続いた。鞍上にとっては落馬負傷から5月末に復帰して初めての重賞勝ちとなったが「馬がよく走ってくれた」とパートナーをたたえた。

「状態はずっと良かったんですけど、前走は馬場が重過ぎました。新潟は夕べも雨が降って、適度に湿ったくらいの馬場が良かったんでしょうね。中筋(なかすじ)を痛めて引退を考えた時期もありましたが、牧場のスタッフがよく治してくれて、その後も(脚元に)爆弾を抱えた中でこういう結果を出せたのは良かったです」と池江調教師。
 18年秋から約1年に及ぶ休養経験のある同馬を、関係者が一丸となって復活させた。

 今後について「ワンターンの千六、千八」(同師)というように適舞台、あるいは“適した馬場”も好走の条件にはなりそうだが、かつてレイデオロやキセキといった同世代のGⅠ馬と接戦を演じた好素材。ニュージーランド産の母キングスローズは同国1000ギニーなど重賞6勝の名牝で、15年セレクトセール(1歳)で1億9500万円の高値をつけたのがサトノアーサー。再び大舞台へ返り咲く可能性も十分に秘めていそうだ。