【レパードS】底知れぬ能力感じるミヤジコクオウ スタミナ&勝負根性、さらに「メンタルできあがった!」

2020年08月07日 17時55分

風格が出てきたミヤジコクオウ

【レパードS(日曜=9日、新潟ダート1800メートル)栗東トレセン発秘話】先日の当コラムでも触れさせていただいたジャパンダートダービー。結果的には1番人気のカフェファラオが敗れて、6番人気の伏兵ダノンファラオが勝つ、いわば“2頭のファラオ”に話題が独占された感もあるが、実のところ、私の視線はそのファラオ2頭よりも、2番人気に推されていたミヤジコクオウに、より強く注がれていた。

 担当として川村厩舎に出入りさせていただいている縁で、デビュー当時からその活躍をつぶさに目撃してきたミヤジコクオウが、ついにGⅠ初挑戦を迎える。私はしっかりと馬券を買い込み、テレビの前に正座して、その走りを見守ったが、結果は残念ながら5着に。だが、コクオウの戦いはまだ始まったばかりだ…って思わず少年漫画的なノリになってしまったのには理由がある。

 ダート界の巨星・エスポワールシチーの半弟として、デビュー前からひそかに注目を集めていた馬だが、馬を見る目などない当時(今も?)の私の興味を強く引いたのは、そのインパクトある馬名。アラフィフ世代にとって“コクオウ”とは、あの「北斗の拳」のケンシロウの長兄ラオウが騎乗していた“黒王号”とぴったり重なる。

 そしてデビュー後のミヤジコクオウは劇画の黒王号さながらの、力強く相手をねじ伏せるような走りでグングンと出世していく。中でも最も衝撃を受けたのが、オープン初挑戦となった中山の伏竜Sでの走り。スタート直後のつまずきで最後方に置かれながらも、驚異的な追い込みで3着まで追い上げたスタミナ&勝負根性には感動すら覚えたほどだ。

「ゲート内で立ち上がってしまって…。レースに行くと、どうしても気が入り過ぎる馬なので、そのあたりをもっとしっかり乗り役(ミナリク)と打ち合わせしておくべきやったね」

 担当の中川助手が悔しげにこう振り返ったくらいで、まさに負けて強し。次走京都の鳳雛Sは3馬身差の圧勝でうっぷん晴らし。その姿には風格すら漂っていたような気がする。

 冒頭のJDダービーについては「(大井の)馬場が合わなかったみたいやね。行き脚もつかなかったし、道中もおっつけ通しだったから…。中央の馬場ならあんなことはないよ」とは中川助手。敗因はハッキリしているだけに特に意に介している様子はない。むしろ、この中間で確かに感じ取った精神面の成長ぶりを強調する。

「以前は過敏過ぎるくらいの馬で、他馬の動きやちょっとした音に反応したりして無駄が多かったんだけど…。今回は長く在厩で調整していることで、メンタル面がだいぶ出来上がってきた感じがするね」(中川助手)

 ちょっと「北斗の拳」の黒王号とイメージが離れてきたところで白状すると、「コクオウ=黒王説」は中川助手にあっさり否定され…。馬名の由来は「国王」なんだそうだが、そんなことはもはやどうでもいい。前述の伏竜Sで見せたスタミナ&勝負根性に、精神面の成長による安定感が加われば、GⅢくらいは楽々と突破してくれるのではないか。そんな底知れぬ能力をミヤジコクオウから感じている。