【クイーンS・後記】伏兵激走!レッドアネモス重賞初Vの背景

2020年08月03日 17時10分

インにこだわる競馬で吉田隼=レッドアネモスは実績馬を完封した

 今夏の札幌で初めての重賞となったGⅢクイーンS(2日=芝1800メートル、牝馬限定)は、11番人気の低評価だった4歳馬レッドアネモス(友道)が、8回目の挑戦にしてうれしい初タイトルを獲得した。一方、1番人気のスカーレットカラーはゴール前に鋭い脚で追い込んだものの、そこまでのミスが響いて3着に終わった。果たして、伏兵激走の背景に何があったのか?

 レースはナルハヤが先手を奪い、それをタガノアスワド、コントラチェックが競りかけて5ハロン通過58秒2のよどみない流れに。勝ったレッドアネモスは好枠1番から中団内をぴったりと追走。勝負どころでも内にへばりつくこだわりの騎乗で、直線は狭いスペースを突き、ロスなく運んだことでできた“貯金”を使い切って勝利した。

 騎乗した吉田隼は「札幌で重賞を勝ったことがなかったし、(レッドアネモスに)初めての騎乗で結果を出せてうれしいです。少し敏感なところがあって馬混みを気にするところもあるけど、いい枠に入りましたから。直線では何とか馬群をこじ開けてくれ、と祈りながら乗っていました」。

 淡々と振り返ったが、最内枠を生かしてラチ沿いを追走。直線でも外に持ち出すことなく、コントラチェックとカリビアンゴールドとの間にできたわずかなスペースを突く好騎乗が最大のアシストとなったのは間違いない。7月19日のGⅢ函館記念をブービー人気(15番人気)のアドマイヤジャスタで制したのに続く激走Vを決めたジョッキー。すっかり今年の北海道重賞の“激穴スナイパー”となった感がある。

 2着ビーチサンバとの管理馬ワンツーで、札幌での初重賞制覇にもなった友道調教師は「今日は枠も良かったし、ペースも流れていたから。直線も前が開いたし、勝つ時はすべてがうまくいくもんだね」と予想以上の走りにやや驚いた表情を見せた。

 なんでも、ここで結果が出ないようなら「門別のダート戦(交流GⅢブリーダーズゴールドC=13日)も考えていた」とか。「パワーがあってダートでも走れると思っていただけに、札幌の洋芝が合っていたんだろう。結果を出してくれたし、芝路線で行きます」と改めて芝で戦っていくことを宣言した。

 この後はビーチサンバとともに放牧。リフレッシュされた状態で秋に重賞路線を歩むことになるレッドアネモス。昨年の5月(白百合S)以来の勝利で鮮やかな復活を遂げた今回のレースが、今後のターニングポイントになりそうだ。