【関越S】人気に関係なく得意条件を走れる2騎に注目

2020年07月29日 18時40分

左回り巧者のトリコロールブルー

 先週から新潟、札幌の2場開催がスタート。本来なら開催されていたはずのオリンピックの影響を考慮して作成されたスケジュールだけに、これも仕方がないと思う一方で、マラソンコースの札幌(当初は函館開催に振り替えられてはいたが…)ではなく、遠い九州の小倉開催を削除した判断はいまだに理解できなかったりもする。馬産地・北海道の開催が何よりも優先されるということなのだろうか?

 この番組が発表された当初から「西日本エリア主場が消滅→一部に出走困難な状況が発生する」と危惧されていた。特に影響を受けるのが最後の生き残りをかけて戦っている3歳未勝利馬たち。JRAでは毎週、出走馬確定表の前に「非当選・非抽選・再投票馬一覧」なるもの(簡単に説明すれば、出馬投票はしたけど出走できなかった馬)が発表されているのだが、これがとてつもない頭数になってしまうんじゃないかと心配していた。ところが実際はそれほどでもなく、意外と落ち着いてんじゃんと一瞬は思ってしまったのだが…。やはり楽観的に片づけてしまえるような問題ではなかった。

 先週末は栗東居残り当番。今週以降の出走予定馬を確認するために音無厩舎を訪問したところ、「思うように使えないから、在厩馬と放牧から戻す馬のやりくりができないんだ。この時期の未勝利馬を〝出走できない〟って理由で(放牧に)出すわけにもいかないし、帰ってくる馬の予定をズラすと秋競馬にまで影響してくる。本当に困ったな」と音無調教師が頭を悩ませていた。そう、これこそが実情なのだ。

 競馬に詳しい方ならご存じかもしれないが、現在の下級条件は優先出走権と節間(前走からのレース間隔)で出走馬が決まるため、想定段階で出走の可否がほとんどわかってしまう。「節間が足りない馬は出馬投票をしても除外されるから、無駄な投票はしなかっただけ」(音無調教師)で潜在的な除外馬の数は相当なものとなる。

 3歳未勝利戦で最も節間を必要としたレースは新潟ダート1200メートルの混合戦で、その決定節は実に10節。つまり2か月の休養明けでも出走できない狭き門だった。開催時期をズラし、番組数の帳尻を合わせるだけではもはやどうにもならない。「ニーズがどこにあるのか」。これこそが重要なのでは。

 一方で上級クラスや芝の中長距離戦は登録段階から頭数が少なめ。ゆえに各陣営も思ったようなスケジュールを組み、思ったような調整ができるようである。

 本来の居残り取材の主目的だった3歳上オープンの関越S(8月2日=新潟芝外1800メートル)は登録のある関西馬5頭中、実に4頭が記者の担当厩舎。中でも左回り〈2・2・0・1〉のトリコロールブルーが最も面白い存在だと思っている。

「切れのある馬ではないので直線の短いコースでは位置を取りに行く必要がある。それでも〝それなり〟には走ってくれるんですけどね。左回りというよりは、直線の長いコースのほうが自分のペースで走れるので、結果も出ているんでしょう」とは大江助手。確かに中京、東京とも直線の長いコース。ならば新潟外回りが合わないわけはあるまい。

 ちなみに人気皆無のサトノワルキューレも似たようなもので、「前走(マーメイドS10着)はいいころの雰囲気が完全に戻っていたので楽しみにしていたのですが、結果的に内回りの2000メートルでは力が出せなかった。この馬に合う条件のレースで力を出し切ってくれれば」と小滝助手。今夏がファイナルサマーになる角居厩舎は北海道に馬房を持たず、本州のみで勝負している状況。得意の条件を走る今回は、応援込みでこちらの馬券も買ってみたい。