【上半期GIを振り返る・3歳牝馬編】デアリングタクト〝まさか〟の無敗2冠

2020年07月22日 17時41分

力が違ったデアリングタクト。桜花賞は完勝だった

【上半期GIを振り返る・3歳牝馬編】東西本紙2人による上半期のGⅠ振り返り企画は第2弾。今回は3歳牝馬戦線をお届けする。

 舘林勲(東京スポーツ):今回は3歳牝馬路線の回顧か。桜花賞に関してはいくらでも話すぞ。

 松浪大樹(大阪スポーツ):確かに◎デアリングタクトはお見事でした。エルフィンSでほぼ決めていたんですか?

 舘林:適度に流れる阪神外回りはキャリアの浅さを自然とカバーしてくれる舞台。まあ、3コーナーで他馬と一緒に動かず、早めに外へと進路を求めた鞍上の好判断も大きい…と当時は思ったけど、オークスを見れば単純に力が違っただけかもしれないな。

 松浪:僕は歩を進めるような堅い予想で◎レシステンシア。まあ、2着は死守してくれたので最低限の仕事はしてくれたのでしょうが、本紙の◎は勝ってこそ…の部分がありますからね。○→◎ではあったけど、納得はしていません。

 舘林:レシステンシアは道悪馬場でもスピードを生かす競馬。自身の能力の高さは見せたと思うよ。でも、この馬の戦い方は断然の主役になってGⅠを勝つスタイルでないと俺は考えている。それがNHKマイルCでも出ていたんじゃないか。

 松浪:逃げ馬は誰からも邪魔されませんし、最短距離を走る利もある。普通に強い馬なら…と思ってしまうんですが、断然の人気でGⅠを逃げ切るのは簡単でない。改めて勉強になりましたよ。

 舘林:まあ、NHKマイルCは体調自体に問題があったようにも感じたけどな。

 松浪:で、オークス。桜花賞までの上位グループはマイル色の強い馬ばかり。能力的にもデアリングタクトで断然…と思っていたんですが、直前に悪い虫が騒いでしまいまして(苦笑)。

 舘林:デゼルの◎か? まあ、本番で結果は出なかったけど、体がまるでできていない状態でそれなりの結果を残したんだから、秋に期待はつないだと俺は評価しているけどな。オマエの近しい厩舎でいくとフローラS・3着のフアナにも秋は注目している。

 松浪:フローラSのフアナは外枠に泣いた一戦だったので自分なりに消化できているのですが、オークスのデゼルは…。あの枠であの乗り方しかできなかったのかなと現在でも思います。「今度は位置を取った競馬をする」って話でしたから。

 舘林:それも含めてキャリアの浅さなんだろうな。諦めてくれ。

 松浪:先輩のオークスも「やってしまった感」のある予想だったんじゃないですか? 桜花賞で正解を出したのでオークスも…と予想してましたが。

 舘林:1957年以来の無敗の2冠馬。この年齢になってくると○年ぶりの…なんて快挙が簡単に実現すると思えなくなっちゃうんだよな。敗因は老いだ、老い。

 松浪:ということは後進に道を譲る決意を固めたわけですね。

 舘林:いや、この経験を糧にして、さらに精進すると決めたよ(笑い)。

 松浪:真面目な話をするとエルフィンS、桜花賞とは違う超高速馬場が僕は引っかかった。それで2番手に落としたんです。父はエピファネイアで母父はキングカメハメハ。パワータイプのイメージを持ってましたからね。

 舘林:俺も同じだ。桜花賞のようにじっくりと仕掛けたいだろうが、速過ぎる馬場で進路取りに手間取ると前を捕まえ切れないかもしれない。そんなシーンを想像してしまったからこその◎ミヤマザクラだったんだが…。

 松浪:失敗だったと素直に反省しているわけですね。

 舘林:この経験を糧にし、さらに精進すると誓うよ。読者の方に見捨てられないようにしないとダメだからな(笑い)。

 松浪:ちなみに3冠制覇に関しては先輩の意見だけを掲載しておきましょうか。

 舘林:牡馬よりも距離的な不安がなく、実力的に3冠の可能性は相当に高いが、高速馬場だった場合の内回り戦に一抹の不安はあるかな。自身のスタイルを崩さざるを得ない状況に対処できるかどうか? それがポイントになると思う。

(次回は古馬編)