【中京記念・後記】シンガリ人気Vメイケイダイハードどうして覚醒できた?

2020年07月20日 19時22分

上位4頭が0秒1以内の激戦は最低人気のメイケイダイハード(手前)が制した

 サマーマイルシリーズ第2戦(9・13京成杯AHまで全4戦)のGⅢ中京記念(19日=阪神芝外1600メートル)は、最低人気のメイケイダイハード(牡5・中竹)が直線外からしぶとく伸びて仰天の重賞初V。オープン入りしてから2桁着順の常連だった“ノーマークホース”がどうして覚醒できたのか?

 もし、この日、無観客だった阪神競馬場にファンが詰めかけていたとしても、あまりの予想外の結末にレース直後は静まり返っていたかもしれない。近5走、2桁着順のオンパレードだった最低18番人気のメイケイダイハードが直線外からしぶとく伸びて、あっと驚く差し切り勝ち。

 何しろ馬のことを誰よりも知っている中竹調教師が「率直に言って驚いた」と目を丸くしたほど。勝ち負けどころか、装鞍所&パドックで馬っ気を出し、集中力を欠く姿を見て「大差のシンガリ負けかも…」と惨敗までチラついていたという。まさにトレーナーが漏らしたように「競馬は分からない」。

 3~4コーナーで力強く上がっていった動きに「今までにない、うなっていくような感じがあった。稽古でよく動いていたのがレースにつながったということなのかな」と、かすかな勝因を探り当てるように話した中竹師だが…。

 対照的だったのは鞍上の酒井だ。レース後に最低人気だったことを知らされると「あっ、そうだったんですか? でも、やれない馬ではないと思っていましたし、今日みたいな(荒れた)馬場もこなせると思っていましたので。人気は気にしていなかったです」。“雑音”を気にせず馬の能力を引き出すことに専念したという。

 直線での攻防について「ビュンという感じでは伸びなかったですけど、馬自身がそこで辛抱して頑張ってくれました。外から馬が来ても諦めず走ってくれましたから」とパートナーの精神力をたたえたが、その気持ちを引っ張り出したのは、ビッシリ追うことに定評のある酒井自身の渾身騎乗だ。

 この日、初めて酒井とコンビを組んだメイケイダイハード。53キロのハンデ、最終週の荒れ馬場も良かったのだろうが、それよりもデビュー28戦目にして最愛の相棒が見つかったことが最大の勝因だ。

 この後は「マイルシリーズをひとつ勝ったし、暑さを考慮しながら、そういう選択肢を考えていきたい」と、シリーズ第3戦・関屋記念(8月16日=新潟)、第4戦・京成杯AH(中山)への参戦を示唆した中竹調教師。シリーズ制覇への“絶対必要条件”は酒井とのコンビ継続に違いない。