【函館記念・後記】超伏兵アドマイヤジャスタ完全復活となったのか?

2020年07月20日 19時21分

テン乗りの吉田隼は実績馬アドマイヤジャスタを見事復活に導いた

 夏の函館競馬を締めくくるサマー2000シリーズ第2戦(9・6新潟記念まで全5戦)のGⅢ函館記念(19日=芝2000メートル)は、15番人気の超伏兵アドマイヤジャスタ(牡4・須貝)が快勝。18年紫菊賞以来、約1年9か月ぶりの勝利で重賞初Vを飾った。2歳時はGⅠホープフルSで2着のある逸材ながら、3歳春から長期不振。この日の勝利で完全復活となったのか? レースを検証しながら同馬の今後の可能性を考える。

 近10年で3連単10万円超えが7回。荒れることで有名な函館記念だが、今年はブービー人気のアドマイヤジャスタが勝利し、3連単は343万円超の大波乱となった。

「のんびりしてるところがあるのでスタートだけうまく切れればと思っていたけど、いいスタートが切れて1角から良かったですね。道中も有力馬を見ながらいいところで運べた。少し気を抜くところがあるので、そこだけを気をつけました」

 初コンビの吉田隼は低評価を覆す快勝に笑顔を見せた。カウディーリョ、レイエンダ、バイオスパークの上位人気3頭が先行集団を形成。3角を過ぎたところから徐々に動いて、直線は内にいた人気馬を一気にかわす完勝だ。ただ、2ハロン目から11秒台のラップが5回続いて先行勢に息が入らない流れで、ハンデ54キロの恩恵も否定はできない。それでもサートゥルナーリアに0秒2差に迫った2歳時(ホープフルS)を考えれば、GⅢはいつ勝ってもおかしくない能力を秘めていた馬。前回(鳴尾記念6着)から装着したパシファイアーの効果もあった。さらに須貝調教師は“血の覚醒”も強調した。

「道中で気を抜く面があるので『馬混みでいじめてほしい』と言った。鞍上が理想的な競馬をしてくれたね。お父さん(ジャスタウェイ)は道悪が上手だったので血統的に洋芝は合うと思っていたけど、ハーツクライ(ジャスタウェイの父)の血統はこの時期ぐらいからどんどん馬が変わっていく。いいほうに向いているんじゃないかな」

 ジャスタウェイは4歳秋に本格化して天皇賞・秋を驚異的な強さで制し、その後の活躍は周知の通り。実際に同馬を管理していた須貝調教師だけに、この勝利がフロックではないと信じている。不振の際はブリンカーや様々な距離を試すなど試行錯誤を重ねたが、時間をかけたかいがあったというものだ。

 今後は8月23日のGⅡ札幌記念(札幌芝2000メートル)参戦を視野に入れる。父同様の成長曲線を描くようなら、古馬王道路線組とも堂々と渡り合っていくに違いない。