【函館記念】トーラスジェミニが巴賞再現の逃走劇

2020年07月16日 16時26分

“粘走力”が増してきたトーラスジェミニ

【函館記念(日曜=19日、函館芝2000メートル)新バージョンアップ作戦】七夕賞に続く「サマー2000シリーズ」第2戦は、同様に波乱の歴史に彩られたGⅢ函館記念。このシリーズのレースキャラの重要性を改めて痛感した新VU作戦の明石尚典記者は◎トーラスジェミニで勝負。逃げ切った巴賞の再現あり、との結論に達した。

 先週の七夕賞は重馬場で10ハロン=2分02秒5の決着。想定よりも3秒近く時計を要したとはいえ、前後4ハロンラップは49秒0→49秒1とほぼイーブン。紛れの生じにくいMペースでコース&渋馬場への適性が問われた一戦だっただけに、福島10ハロンのスペシャリスト的存在であるクレッシェンドラヴのVゴールは納得の結末だ。翻って、今週の函館記念は言わずと知れた洋芝の小回りコースが舞台。JRA全10場の中でも特異性がクローズアップされがちな条件となれば、福島以上に適性が大きな意味を持つのは言うまでもあるまい。

 ◎はトーラスジェミニ。函館記念で不振を極める巴賞の勝ち馬という点を不安視する向きもあろうが、そんなジンクスなどいつかは破られるもの。少なくともラップを冷静に読み解けば、最もVゴールに近い存在であると断言できる。

 巴賞の3ハロン目以降の分割ラップ(2ハロンごと)が24秒4→23秒8→23秒1。漸進なラップを刻みながらラスト1ハロンを11秒台でまとめられては、他馬が影すら踏めなかったのも無理はあるまい。Vタイム(9ハロン=1分47秒9)こそ目を引く数字ではないものの、8ハロン通過1分36秒0に2ハロン=23秒5加算で10ハロン=1分59秒5。今の馬場レベルなら十分帳尻が合う計算だ。

 GⅢにメドを立てた2走前のエプソムCは、3ハロン目以降に23秒5→24秒0→23秒7と一定のラップを刻んで、巴賞と同じ9ハロン=1分47秒9でフィニッシュ。ラスト1ハロン(12秒8)で大きく数字を落としたのはあくまで不良馬場の影響と考えれば、ラスト2ハロンを合計23秒5前後でまとめるのは決して難しいミッションではないだろう。

 逃げ馬といってもキャラは様々。決して快速とは言えないものの、淡々としたラップを刻ませたら想像以上の粘りを発揮する。ここ2戦のラップから浮かび上がってくるのはそんなトーラスジェミニのキャラ。幸いにして今回も強力な同型不在のメンバー構成。淡々と自分のリズムさえ守れば、再びあれよあれよの逃走劇を完結させてしまう公算が大とみた。